弁護士ブログ(日々の出来事)

2017年12月16日 土曜日

今週の1週間(12月11日から15日)

 12月11日(月曜日) 午前中は、ほぼいつもの朝で終わる。メールをチエックして返事をして電話をするというものである。1件、1週間ほど前に受けた判決に控訴する際の委任状の送付の件での打ち合わせに手間取った。このため、午前中は1件の弁論だけだったが、他には作業ができなかった。弁論は交通事故(物損)の事件(被告事件)で、やはり過失相殺が問題となる事件。警察官の作成図面と原告が保険会社に報告した物件事故報告書が結構違っており、少し、事故状況の理解に違いがある。ただ、大枠では、コンビニの駐車場の駐車区域からバックで出ようとしたところ、隣の駐車区域に頭から入れようとした車と接触した事故だが、この場合、駐車区域から通路へ出ようとした車と通路通行中の車との事故での基本的な過失割合(7対3)と異なるのかどうかが問題となると思うが、駐車区域から出ようとする車との関係で、駐車しようとしている車と通路進行中の車とで違いがあると考えるのかどうかわからない。個人的には、違いが無いと考えるがどうだろうか(文献では、同じであるとするものがあるが、はっきりとした裁判例は見つけられていない。)。
 今日は、RCは特別休会(メンバーが大挙してホノルルマラソンに出場するため)。午後は、控訴状を作成する。交通事故のケースで、物損事故なので、一方の車の所有者(被害者)と運転者が違うことから、一方からは相手車の運転者に対する損害賠償(第1事件)、相手車の所有者(運転者と異なる)からこちらの運転者に対する損害賠償(第2事件)があり、それぞれの車のレッカー代金をそれぞれの保険会社が支払っているため、その請求が付いている。過失割合が問題となっている事件のため、原判決は、「第1事件被告は原告に対し〇〇円を支払え。第1事件被告はA保険会社へ△円を支払え。第1事件原告は、第2事件原告に対し●●円を支払え、第1事件原告はB保険会社へ▲円を支払え。訴訟費用は、第1事件については、その3分の1を第1事件原告とA社が、残りを第1事件被告とB社が負担する。第2事件では、4分の1を第1事件原告が負担し、残りを第1事件被告とB社が負担する(負担割合が違うのは、第1事件での原告請求には、車格落ち分が入っており、それを前提とすると認容額は3分の1程度となっていることによる)。
 この場合の、第1事件原告の控訴の趣意を書くのは結構難しい。控訴状には原判決の主文を記載するが、判決文では、当事者の表示の欄で、第1事件の被告を第2事件原告と言い換えたりしているので、主文の記載を前提として書くのは難しい。控訴状では被控訴人と記載するので、結構悩むことになる。
  夕方からは、少し早いが事務所のクリスマス会。

 12月12日(火曜日) 今日は、今月2回目の日弁連の日。朝の飛行機で羽田に向かう。福岡は天候が悪く、空港で雪あられのため、翼に雪が付いているのかを目視する必要があるということで出発が遅れる。東京は冬晴れの一日。午前中、新橋でルオーとカンディンスキーを見てくる。パウル・クレーもあったので少しうれしくなる。午後からは、民事司法改革総合推進本部の証拠収集部会とその後の全体会議に出席。

 12月13日(水曜日) 朝、歯医者さんに行って(今回の定期治療は終了。また半年後)、その後は、昨日分のメールなどを確認し、その後は弁論が1件。30分程度かかって終わる。午後は、相談が1件で、その後は、調査嘱託申立書を起案。高裁での事件だが、理由と嘱託事項をどう書くかが結構難しい事件で、気を使う。1週間以内に提出すると言っていたが、2回の東京行気があったので、ぎりぎりになってしまった。

 12月14日(木曜日) 午前中は、弁論準備と弁論が1件づつ。高裁の事件は、それまで受命裁判官による弁論準備期日が開かれた後での弁論だったので、結果陳述などの形式的やり取りとと判決日の告知で5分もかからず終わると思っていた。ところが、第1回の口頭弁論期日前の合議と今回の弁論期日前でもう一度きちんと合議をした様子で、裁判長から双方に色々な質問があり、終わるまでに30分もかかった。高裁での審理の途中で、主任裁判官の移動があり、後任ではなく相陪席裁判官が主任裁判官となり、新任の陪席裁判官を交えての合議となったためか、裁判所の考える構成が感じ取れるような、口頭での議論となった。それでも、新たな争点が出現したわけでもなく、次回判決となった。
  午後は、相談が続き、午前中の地裁での弁論準備事件について、来年人証調べが予定されていることから、そのための陳述書の作成の打ち合わせをする。相続が絡む事件なので、書証が揃うわけでは無いので、陳述書の占めるウエィトは高くなると思われるので、結構気を遣いそうである。

 12月15日(金曜日) 午前中は、和解が1件。それ以外は、陳述書の作成で終わる。かなり以前のことに戻るため、全体的な整合性が取れるのかどうか、検討をする必要がある。とりあえず10枚程度になったが、まだ思い違いや聞き違いがあると思われるので、かなり手直しが必要だと思う。午後は別件の相談。結構重い事件に係わる。今年の最後の仕事となる見込みであり、準備が結構難しそうである。

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2017年12月 9日 土曜日

今週の1週間(12月4日から8日)

 12月4日(月曜日)12月になった。このところ12月から翌年度の弁護士日誌を使うようにしている。このため、今日から2018年の手帳を使うことになる。先週もそうだったが、来週に期日の入っている事件が多く、今週も準備書面を書く1週間となる(7日の木曜日は日弁連に行かなければならないので、準備書面を書く負担が大きい。)。
 午前中にとりあえず一つを(8枚もの)。昼はRCへ。例会前の打ち合わせなどで結構時間を取られる。事務所に戻って二つ目にとりかかる。人証調べ後の最終準備書面。こっちは私一人で書いたものではなく、私は手を入れる役。それでも15枚位になる。それに先週話を聞いていた陳述書の原案を明日の打ち合わせを前に本人にファクシミリで送る。被疑者国選事件での被害弁償。店舗に対する詐欺事件で、被害額10万円を家族が弁償したいということで、夕方遠方に住む家族に来てもらい、一緒にお店に被害弁償に行く。店には領収書を書いて貰い、そのまま被疑者に接見に行って領収書を見せる。12月6日が勾留の10日満期で、その時点で起訴されることも考えられたので、とにかく被害弁償を急ぎ、領収書を検察庁に提出しないといけない。

 12月5日(火曜日)今日は寒い。福岡は日本海側なので暗いこともあってとても寒く感じる。朝、検察庁に電話し、被害弁償ができたことを伝える。6日満期なので、6日には釈放して欲しいという気持ちがあり、検察官が領収書が間違いないかどうかの事実確認をすることを考え、自分で検察官に直接領収書を見せに行くことにする(検察官に早く事実確認をして欲しかった)。その後、昨日書いていた最終準備書面について、裁判所から11月末が提出期限だったがどうなっているかとの問い合わせ。そんなことを言ったけ、と思うし(それに人証調べ後の判決を前提として最終準備書書面なので、相手の反論も考えられないから、期日に提出しても良いのでは無いかと言いたい気持ちもするが、昨日には書き上げていたので、今日提出することにする。
 午後は、昨日、送っておいた陳述書の原案について、依頼者と打ち合わせ。明日が期日の1週間前で、今回は準備書面だけの提出だけで良いのだが、来年1月にはどのみち、尋問が予定されている。陳述書に合わせた準備書面を作成するつもりで、陳述書と準備書面の同時完成を目指すが、それは難しそうで準備書面だけで我慢せざるを得ない。準備書面は6枚程度で、陳述書はもう少し長くて8枚から10枚といった程度になりそうである。今日は、書面書きとそのための資料作りで疲れるので、早めに終わりにしてジムへ行く。

 12月6日(水曜日) 午前中は、今日が期日の1週間前(要するに提出期限)の準備書面を書く。5枚程度なので午前中に書き上げて事務局渡し。その後は昨日書き上げた準備書面の書き直し。明日が1週間前なので明日提出すれば良いが、明日は一日東京(日弁連)なので、今日中には完成させて提出したい。
  午後は、弁論準備が1件。地裁事件だが、交通事故で、治療期間が問題となっている(結局治療期間に応じた慰謝料の問題)。弁論準備室に裁判官が入ってくる前に相手の弁護士(私よりだいぶ若い)に、このくらいの金額で和解をしないかと話しかける。先方もあんまり争っても意味のない事件という理解だったようで、その方向でということになる。裁判官が入ってきた後、そういう話をして、この日に裁判所からの案を出してもらう(裁判官がこの事件についてどのような意識でいたのか、金額的にどの程度のものを考えていたのかはっきりしない-裁判所もこの期日のためにどこまで記録を読みこんでいたのかは不明だった。ただ、改めて期日外に裁判所の案を示しますということではなく、その場で双方代理人からそれぞれの和解についての感触(要するに金額)を聞いたうえで、その場で裁判所の和解案を示されたのは、裁判官の能力の高さを示すものだったと思う-期日外にということになると、裁判所が改めて書面を作って双方に示すということになるが、それも結構手間がかかる。)。
 その後、高裁で弁論準備が1件。1時間ほどかかった。いよいよ終わりが見えてきたように思うが、技術的な問題にからむ法令の理解について改めて地方公共団体へ調査嘱託を行う必要があるようで、嘱託事項を工夫する必要がある。今日も、午前中に書き上げた準備書面と一緒に陳述書を提出できた(この事件では、こちらは期日の1週間前に準備書面と陳述書を提出したが、相手の若い弁護士からは書面も陳述書も提出されないまま週末を迎えることとなった。)。

 12月7日(木曜日) 今日は、朝の飛行機で日弁連へ。民事裁判委員会へ出る。昼前から、来年3月29日に予定されている民事訴訟法施行20年を記念したシンポジウムについての打ち合わせ。日弁連の民事裁判委員会は、この民事訴訟法改正に関係して設けられた委員会であり、委員会の活動自体が民事訴訟法の改正に関係している(無論、強制執行法等の法改正にも関係しており、相続法改正などの実体法も守備範囲である。)。このような関係から、20年前の議論を振り返るとともに、民事訴訟を取り巻く社会の変化(例えば、弁護士人口の劇的増大、IT環境の整備により、誰でも一定の法的情報を得ることができるようになった。過払事件の一時的かつ急激な増大による訴訟環境の変化など)の影響をどう考えるのかなどを振り返るべき問題は多いように思う。民事訴訟法学会の後援を得られており、実務と研究の双方に有益なシンポジウムとしたい。その後の全体委員会の後、福田剛久元高裁長官の講演を拝聴する。福田さんからは、まさに20年前の民事訴訟法改正に関係する話と今取り組むべき課題とされているIT化についてのお話を伺う。懇親会に出あられず残念。帰りに羽田空港から警察署に電話を入れて、供養が満期の被疑者がまだ留置されているかを聞く。留置場にいないということを聞いて安心する。

 12月8日(金曜日) 今日も朝から寒い。朝は、昨日の分も含めていくつかの連絡作業を行い、そのほかは弁論準備が1件。年末でもあり、相手方の書面提出期限を決めた程度で終わる。その程度の期日であれば、双方とも裁判所に行く必要はないのかもしれないと思う(これは、昨日の福田さんの話にもあったIT社会を前提とした場合の期日の概念をどう考えるのかというような問題にも結びつく。無論、期日間で事情の変更があって双方代理人が出頭した方が良い場合もあるが、そうでない場合をどうするのかは考えられても良いように思う。)。
 午後は、労働委員会へ行く。新任の委員を交えた初めての実質的な公益委員会議と総会となった。新任の委員と事件に関する打ち合わせなどを行い、事務所に戻るのは結構遅くなった。それから、少し作業を行う。来週も寒そうでいやだなと思いながら、今週は終わりにする。


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2017年12月 2日 土曜日

今週の1週間(11月27日から12月1日)

 11月27日(月曜日)今日は、新たに第41期の福岡県労働委員会公益委員に任命されるということで、朝福岡県庁へ。早朝霧が立ち込めていて交通機関に遅れが出た。当初予定していた先に事務所に寄ってそれから8時35分(集合時間の10分前)に福岡県庁着というのは結構厳しかったが、なんとか8時40分には県庁へ到着。9時に小川知事からの全委員21名への辞令交付式、その後直ぐに臨時総会(会長の選任などの定型的な議事)をして、定例の公益委員会議、公益委員会議を受けての定例総会といった内容を2時間程度で終わることができた。公益委員は、7名中2名が新任、公益委員7人中5人が40代ということで年長の公益委員(私のことである)による議事の進行などあって、私がこれから2年間、労働委員会の会長を務めることとなった。
 そういうことで、昼前にRCへ着いて2年後のことで打ち合わせ。昼が終わって3時過ぎに事務所に戻る。事務所に戻ってメールを見て、電話を掛けるなどいくつかの作業をして、宿題になっていた準備書面や答弁書を書き始める。期日の1週間前提出を考えると、今週中に準備書面や答弁書を計3通、陳述書1通を書き上げなければならないので結構大変である(それに再来週が期日の分も平行して書き始めなければならない。)。

 11月28日(火曜日) 午前中は、昨日書き上げた準備書面1通(9頁)の修正と新たな準備書面(4頁)の作成。午後は陳述書作成のための打ち合わせでほぼ終わる。朝、先週保留で作法されたが直ちに別件で逮捕された被疑者からの接見依頼があった(月曜日に勾留されたということで、前の事件の関係から私がまた被疑者国選弁護人となることになった。)。この分は、明日の朝、接見に行くことにする。そういうことで、今日は早めに事務所を出てジムに行く。

 11月29日(水曜日) 朝は警察者に行って、接見をすませて、10時には事務所へ着く。午前中は弁論が1件と刑事の判決言い渡し(控訴審)が1件。合間を縫っていくつかの作業をする。来年秋には、裁判所の新庁舎での執務が始まるが、今日のように午前中に2件が1時間程度の間隔で指定されている場合の時間管理(今は事務所に戻っている。記録の厚いときなど2件分の記録を持ていくのはしんどい。)が問題となる。
 午後は、結構面倒は相談が1件。高裁から昨日出した準備書面を前提にこれまでの双方の主張はこの程度で良いかという双方代理人の意見を求める書面(7頁ほどのもの)が双方代理人に送られてきた。高裁で少し議論が止まっていると思われた事件で、記載するよう求められた内容に加えて、進行について、これまでの高裁での進行の振り返っての意見を記載した書面を提出した効果かとも思う(その意味では9頁の書面は無駄にはならなかったと思うが、高裁から送られてきたのが、こちらが書面を出した翌日だったので、少しびっくりした。)。その後は引き続いて書面書きに専念する。

 11月30日(木曜日) 今日も書面書きに専念する(無論、電話での相談などのいつもの作業はある。)昨日夜に書き上げた書面の訂正作業をして、午前中に事務局の再チエックを終えて提出できるようにした。午後は、答弁書を作る。交通事故事件だが、相変わらず、事故の態様についての認否が難しい。このため、個別に認否をするのはやめて、こちらが考える事故態様を記載することにしているが、当事者の事故態様に関する記憶が明確でない場合があり、はっきり書くのにためらいが生じる場合がある。ただ、それでは、裁判所には、どういう事故態様なのかわからないままのことも考えられ、どの程度踏み込んだ内容にするのか、今回も少し悩むことになる。
 そういうことで、午後まで書面書きに終わり、5時過ぎからは、裁判所との民事裁判にかかるプラクティス委員会に出る。このところの大きなテーマは、裁判所と代理人との意識や認識の齟齬であるが、それについての一つの切り口として、弁論主義違反、釈明権行使が問題となった裁判例を抽出し、その裁判内容を検討しようと発案し、弁護士がそれぞれの事件を判例集に当って事案を検討して一覧表を作成した(すごい労作である。)。それを素材として少し検討することとなった。

 12月1日(金曜日) 朝は、また、警察署へ接見肉に行く。帰りの地下鉄で、10時に始まった例の訓練に遭遇。その後、打ち合せが1件。午後は、昨日に続いて陳述書の作成。話は火曜日に聞いていたが、10年以上昔のことなので、改めて聞かなければならない点が続出する。来週に改めてきてもらうことにしているが、結構難航しそうである。午後、判決を受け取る。交通事故(物損)事件で過失割合と車格落が争点となっていた。当初の裁判所の心証とは異なり、ある程度こちらに有利な過失割合になっているが、判決文の事故態様に関する記載からは、当穂の過失割合を認定するのは難しいように思われた。車格落ちについては、司法委員の意見が影響をしているようであり、疑問に思うところがある。控訴については改めて相談となろう。とにかく、これで、今週は終わりとなる。

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2017年11月18日 土曜日

今週の1週間(1月13日から17日)

 11月13日(月曜日) 午前中は、高裁での弁論準備が1件。高裁では、思いがけない時期に裁判官が移動することがある。今回も別の裁判官が地裁の部総括となったため、その後任にに、別の部に継続していた私の事件の担当裁判官が移動。結局、もう一人の陪席裁判官が主任となって対応。もちろん、合議をしているので全く初めてというわけではなく、ある程度分かっていたとは思うが、結構悩んでいる(双方控訴なので、どういう結果もあり得るので、こ知らも真剣である。その後、打ち合わせが1件。今週はなぜだかRCが休みのため、午後もそのまま打ち合わせが2件。5時まで続いて結構疲れた。水曜日からは東京なので、まじめに夜もお仕事をする。


 11月14日(火曜日) 朝、一番に当番弁護士の関係で被疑者に接見に行く予定だったが、警察署に電話をすると、被疑者が何かをしたらしく保護室にいるという。昨朝は、検事調べがあるということで遠慮していたが、昨日の午後に保護室に入れられたらしい。もちろん、弁護士接見は可能だが、結構面倒なのと(留置管理係は明らかに弁護士接見を嫌がっている)別の作業もあったことから、今日は遠慮する(結局、土曜日に接見したが、保護室に入れられた理由は恐れていた警察官への暴行というようなことではなく、ほっとした。)。その後、午前中は弁論準備が1件。和解が成立するかどう課という問題だったが、和解は無理ということで人証調べをすることになる。午後は、いくつかの作業をする。訴状をきちんと書く。訴状に添付する証拠が35くらいになりそうである。被告が争うのがはっきりしているので早めに証拠を付けておく。いつも思うが、どの順番に証拠を並べるかが結構いつも難しい。ただ、多少証拠をきちんと見ておくと、その後が少し楽になるからである。

 11月15日(水曜日) 明日の朝から、全労委総会が東京で行われるため、少しフライングして前日から東京へ。全労委総会の資料を読むことで一日が終わる。16日、17日は、全労委総会への出席で終わる。当然、懇親会が設けられたが(11月は、労働委員会委員の任期満了時でもあるため、今回の全労委総会が最後の出席となる委員もいる)、日馬富士の暴行事件が話題にある。暴行を受けた翌日には、親方も事情を聞いていたはずなのに、脳の損傷が悪化する可能性のある稽古や土俵に上げたのは、安全配慮義務違反なのではないかという話である。いかにも労働委員会委員らしい意見である。

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2017年11月11日 土曜日

今週の1週間(11月6日から10日)

 続けて、今週分を書こう。

 11月6日(月曜日) 午前中は、民事の弁論準備期日が1件。新件だったので、今後の進行をどうするかが検討事項となる。というのは、担当裁判官が3年目で来春移動の可能性が高いということで、そうなると人証調べの予定も考慮にいれながら(4月以降に担当する裁判官の下での人証調べが望ましい)、それまでの期日運営を考えることになる。この事件では、家裁に本来の事件がかかっており、そちらの進行具合も影響する(その事件には、私は係わっていない。)。昼はRC。その後少しだけ前回に引き続いてクリスマスの準備をする。事務所に戻って、明日の人証調べの準備を少しやる。

 11月7日(火曜日) 昼前に小倉に向けて事務所を出るので、午前中もあわただしい。何か所かに電話を入れて終わる。昼前に小倉の裁判所に向かう。昼休みに当事者と打ち合わせ。この事件では、相手車のドライブレコーダーが証拠として出されており、余り争点は無いし、裁判所からも事前に和解案が出されたいたのを、相手方が納得できないということで人証調べとなった事件である。このためあまり準備する内容もなかったが、当然だが、本人は裁判所での尋問には慣れておらず、基本的な注意といった程度の準備となる。
 実際に尋問が始まると、ドライブレコーダーの有無で尋問の内容は相当に変わってくることを実感する。今回は相手車の前方のドライブレコーダーのため、相手車の進行が時間も秒単位で分かった(事件は、前方を走行していたい相手車が道路の左側に車を停止させた後に左後方の駐車場に自車をバックで駐車させようとして後退を始め、内輪差があるため、後方から進行してきた当方の車の右側面に右前面を接触させたもの)。このため、相手車の後方確認の不十分さが主要な争点となる(当方の前方確認義務違反もあるが小さい)。画像上では停止して2秒もたたないうちに後退を始めているのが明らかになっており、ドライブからリアに入れてルームミラーとサイドミラーでの確認という手順で後退を始めるには、それでは足りないことが明らかとなるが、ドライブレコーダーがなければ、相手車の運転者がそれらの確認をしたと主張した場合、それが(十分な時間を取って)行われていないということを立証することは相当に難しいことになる(図面で時間を示すのは難しい。)。
 また、尋問の際には、ドラブレコーダーの画面を示しながら尋問できれば、便利だと思うが、それがなんとかならないかと思う。
 事務所に戻ったら、当番弁護士担当日ということで、被疑者国選事件で選任がされた。被疑者からの接見の要請もあったため、博多警察署に接見に行く。

 11月8日(水曜日) 今日は、日弁連民事司法改革総合推進本部の委員会出席のために東京に向かう。全体会議の前に証拠集部会の会議があるため、朝の飛行機で東京に向かう。部会では、当事者照会について多少議論する。当事者照会には相手方はこれに応じる法的な義務があるのが前提だが、あまり利用されていないというような点など少し部会でも議論する。民事訴訟法は証拠の章(第4章)には、裁判所による証拠調べを前提として証拠方法提出などを定めているが、当事者による証拠収集については、訴え提起前の証拠収集の処分の章(第6章)では、当事者照会(132条の2以下)を定めるだけで、文書提出命令や証人尋問などは、そこでは規定されていないという点の違いをもう少し意識する必要があるのではないかなどの議論が出る。その後、全体会議。夕方福岡へ帰る。事務所から連絡があり、被疑者から接見依頼があったとのこと。

 11月9日(木曜日) 朝、昨日の被疑者からの接見依頼を受けてので、事務所に出る前に博多警察署へ。接見自体は短い時間で終わる。事務所に戻って午前中は相談が1件。午後は、労働委員会へ。今日の会合で第40期の労働委員が終わり、次回からは新たに選任される41期の委員による労働委員会となる。このため、最後の定例総会となる。また引き続いて選任される委員については、知事空の辞令交付となるため、そのための準備について会合となった。最後の総会では、今回辞められる6名の委員が最後のあいさつ。1年で辞められる方や10年務められた方など、労働委員会での係わり方にはいろいろな違いがあるが、皆さん、それぞれの出身母体から離れて、適切な解決のために尽力してただいた。厚くお礼をお申し上げたい。
 その後、明日の準備を。明日は、午前中に刑事ん控訴審、午後は、労働委員会の庁舎移転に係わるトークイベント(パネルディスカッションだけではありません。新しい労働システムに向課って、日々努力している企業での実情をお話しいただく)のあいさつの原稿を考える。

 11月10日(金曜日) 午前中は、刑事の控訴審。前に書いたように、事実に争いの無い裁判員裁判事件での量刑不当という控訴理由で、1審判決後の事情に大きな変化がない場合の被告人質問の事項には、大きな問題点がある。1審判決の量刑理由の説示部分と具体的な量刑に納得が行か無い場合、高裁の裁判官に、この事実関係でこの量刑は納得がいくのかという疑問を投げかけるというのは、控訴審の構造からするとそれを表から行くのは少し難しいので、とりあえず、控訴理由書にそのあたりを相当に詳しく書いておき(ここは、ある程度詳しく書いていても問題は少ないと思われる。控訴審の裁判官も自分なりに事実を構成できないと納得できないし、その限度ではそのような裁判官のメンタリティに訴えかけるしかないように思う。そこで、第1審後の被告人の心境の変化を語らせる際に、その辺り(事実の評価)に少し触れながら、質問を続けるという方法を考えるしかないが、その点には、厳しい裁判官もいると思うし、被告人にその手について語ることができる能力、繊細さが無いと難しい。
 その後は、民事の弁論が1件で、午前中は終わる。
 午後は、労働委員会の庁舎移転を記念するトークイベント。労働委員会の主催するセミナーは、いつも労使双方の委員にお願いして、双方から関係者を動員している。今回は少し視点を変えて、これから社会に出る学生に多く出てもらった。公益委員を務める大学教授にゼミ生等の学生を動員してもらった。また、イベントの案内も各大学の就職担当部門に送った。このため、セミナー(トークイベント)の内容も、学生を意識した内容にして、企業も組合もそれぞれ働きやすい労働環境の確保に向けて日々どのような努力をしているのか、特に女子学生に対しての仕事内容の多様性を前提とした働き方改革の現状を話してもらうなど、良い内容になっていたと思う。おかげで200名近い聴衆が、最後まであまり席を立つことなく、2時間聞いてもらえたと思う。そういうことで、今週はおしまい。

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