弁護士ブログ(日々の出来事)

2019年2月23日 土曜日

今週の1週間(2月18日から22日)

 2月18日(月曜日)朝、労働委員会へ。21日の調査期日のための打ち合わせ。進行の見込み等を打ち合わせる。事務所に戻って少し作業をして、昼前にロータリーの会議へ。その後、事務所に戻り、5時からの裁判所とのIT模擬裁についての結果検討会(反省会という言い方も変なので、こういう言い方になる。)。弁護士側として、模擬裁判の中で気が付いた問題点を指摘し、知見を交換するといったところになる。ほぼ1年後(2019年度末)からいくつかのパイロット庁での現行法で認められる範囲での試行も前提とするとやはり結構大変そうである。
 実際上、弁護士事務所の機器の良しあし(新しい古い)で、相当に変わってくる(マイクロソフトのティームズを使っている弁護士がそれほど多くいるとは思えない。もちろん、私もつかっていない。)。模擬裁では、目に見える形での有用性をアピールするために、裁判所がブロック・ダイヤを作ったり、書記官がその場で期日調書を作成してアップして双方代理人と確認をしていたが、実際の事件では、ブロック・ダイヤを作るなら、期日前に作って事前にアップしてもらわないと検討ができないだろうし、期日調書も書記官の全件立会がなければできないであろう。そうすると、期日調書などを含めてアップされた裁判記録を何時でも見ることができる(eファイリング)、音声が途切れやすいという点がカバーできれば、裁判所と相手方の顔が見えるので電話会議よりも使いやすい、あまり重要ではなさそうな期日に裁判所に行く必要がない、といった点程度が実際のメリットかもしれない。

 2月19日(火曜日) 午前中は、相談が1件。訴訟に発展しそうなケースだった。予め色々な資料を持参してもらったことで突っ込んだところまで相談ができた。午後は、和解が1件。もう1期日で成立するかもしれない。事務所に戻って、明日が初回期日の記録をもう一度読み直す。控訴審の事件では、控訴人(当方)側は、控訴理由書を提出し、それから控訴審での初回期日までに結構期間が空く。控訴審の裁判所では、その後に合議をして初回に臨むことになるが、当然、その際に記録を検討することになる。ところが、控訴人の方は、だいぶ前に書いたことを忘れている場合がある。それに被控訴人の答弁書が直前に届いたり、あるいはその内容が乏しい場合や良く分からない場合がある(特段の理由も示さず、控訴棄却を求めるといった程度のものがある。)。そうすると、余り記録を読まないまま控訴審の初回に臨むことになる。

 2月20日(水曜日) 10時から控訴審の1回目。交通事故の事件でもあり、裁判所から事前に初回の後に受命裁判官による和解を入れたいという話もあったので、そのつもりで臨む(つまり、こちらもあまり準備をしていない)。ところが、2人の被控訴人の内の一人が結審してもらっても良いと発言される。3月末に部総括判事が移動になるようなので、裁判所は3月中の和解成立を考えていたようだが、判決となると、こちらも答弁書に対して少し反論しておきたいと思うところがあった。そうは言いながら、受命裁判官による和解期日になり、一応、今日の期日は終了。事務所に戻り、少し作業をして(午前中の事件での反論のための書面の作成など)、午後からは、これまで準備してきたロータリーの会議へ。そのまま懇親会に突入したので、今日はおしまい。

 2月21日(木曜日) 午前中は、労働委員会へ。審査事件での調査期日(裁判所での弁論期日のようなもの)。昼前に事務所に戻り、午後は、開示された刑事記録を検察庁に見に行く(事件の内容からカラー部分のコピーは必要ないと思うが、一応カラーの部分を見ておきたいと思うことや、開示されたら早めに見ておきたいという気持ちからついつい見に行きたくなる。)。それほど厚い記録でなく(自白事件)、調書の内容も概ね予測していた範囲内だった。

 2月22日(金曜日) 今日は、時間に余裕のある一日。来週のこの日(3月1日)に刑事事件が予定されている。前回の期日(1月25日)の際に2月上旬の追起訴が予定されているということで、証拠の開示期間などを考え、結審できるように、3月1日を期日としたのだが、2月13日に裁判所を経由して進行状況を尋ねたが、検察庁も、警察から連絡が無いということで、分からないという話だった。この事件は、起訴、再逮捕されその事件で追起訴(昨年12月20日)された。今回の再度の追起訴の話がなければ、前回の1月25日に結審できる事件だった。ところが、2度目の追起訴が予定されているということで、そこでの結審はなく3月1日まで期日を延ばした事件だった。期日を1週間後に控えた事件なので、気を揉んでいたが、今日になって、追起訴は行われないということになったと言う連絡があった。被告人は東京での一人暮らしであり、逮捕(昨年11月)から借家の家賃を支払えていないので、裁判の途中で家が解約されているのではないかということが気になっていて、私としても、被告人が早く出られることが気になっていた(事件自体は執行猶予が付く可能性が高い。)。追起訴として考えられていた内容も捜査に時間を要する事件では無いようであり、何故、追起訴が遅れているのか分からなかった(別事件で、再逮捕から始まる場合は逮捕から23日以内に起訴しなければならないのと比較しても遅すぎる。)。この事件では、1月25日の期日前に(1月10日頃)、再度の追起訴があるという話から、その次の期日を何時とするのかを裁判所と打ち合わせたが、その際にも、被告人に取調べの状況を聞いたが取調べを受けていないということだったので、警察はどのような積もりんあおか、疑問に思っていたところだった。今回も再度の追起訴の取調べの状況が分からないままだったが、担当する警察にかなり問題があるのではないかと思う。
 などと、ぶつぶつ、言ったところで、今週もお終いとなる。

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2019年2月16日 土曜日

今週の1週間(2月12日から15日)

 2月12日(火曜日)3連休明けの週の初め。このところ寒暖の差が激しい。朝の天気予報でも、北海道は寒いが、東京はそうでも無いというような話で、良く分からないまま午後の飛行機で東京に向かう。日弁連の民事司法改革推進本部。議題の一つは、独禁法改正に絡む弁護士と依頼者間の秘密特権。無論、そもそも論ではなく(そもそも論もどこまでが共通認識になているのかがはっきりとはしないが)、独禁法のカルテル防止にかかる議論において、公正取引委員会は、企業と弁護士との間での秘密交渉内容については一定の保護を与えるというものであり、その意味が、まさに秘密交渉の過程の保護という趣旨に基づくものなのか、企業と弁護士とで綿密に打ち合わせをする機会を秘密特権を与える言う形で保護し、その結果として企業の利害得失を十分に検討させるとともに、公正取引委員会への協力を求める方向に向けるという政策的な意図(考え方によれば、弁護士と協議する機会を保護する形で公正取引委員会へ協力するように弁護士を利用するということにもなる。この点は、税務申告の際に税理士との相談内容について秘匿特権を与え、税理士に正しい納税を指導させるというやり方と同じ発想のように思われる。税理士の場合は税務署OBが多く、監督官庁も財務省だという点で、弁護士とは違いがあるように思うが。)。

 2月13日(水曜日) 昨日は東京泊だったので、朝の飛行機で福岡へ戻る。昨日の飛行機も満席に近かった。大学受験生が多いせいもあるのかもしれない。3月1日の期日で結審予定の刑事事件で追起訴がまだされていないので、裁判所に問い合わせの電話を入れる。書証の開示などを入れるとぎりぎりの期限である。裁判所から検察庁に問い合わせてもらうが、まだ見込みが立たないと言われたようである。前回の期日(1月25日)で2月上旬には可能と言われていたので、かなりせわしいスケジュールになりそうである(追起訴である以上、既に起訴された事件と同じ種類の事件のはずなので(しかも被害者のいない犯罪なので被害者の捜査なども不要な事件である)、捜査にそんなに時間が掛かるとは思えないのだが。)。
 午後から法廷が1件。和解だったが30分以上待たされたものの成立せず。裁判所の行き帰りの時間を考えると2時間近くかかった。裁判所の移転があったことで、この辺りの時間のロスが気になってくる(IT化が進めば、事務所で他の業務ができるという話にはなりそうである。他方、当事者の説得が難しい事件では、当事者が出頭しない場合は、結局、和解期日を無駄に重ねる結果になる危険があるという点では、結果的に同じなのかもしれない。夕方からは、明日の日弁連のIT化検討WGの資料を読んでおしまい。

 2月14日(木曜日) 朝の飛行機で東京へ。12時から3時までのIT化検討WGへ出席。3時間の会議。ITに詳しい委員もいれば、私を含めて最後からついて行くという委員もいる。とにかく技術的なことはよく分からない(今、技術的問題だとされる事柄が、2、3年後は全く問題とならないかもしれないのだが、その可能性の程度が分からない。)。今回は、判決書のや作成や言渡しが検討対象だった。判決は、裁判所(裁判体を構成する裁判官)が、ワープロソフトなどを使って判決文を作成する(作成された内容は、電子署名され、01で構成される電子データの形になる。それを判決期日に言い渡す(どういう形で言い渡すのかは、公開の原則から議論される。)。その後、書記官が公証し、アップされる(フロントヤードにアップされる。)。判決期日後(言渡し後)は、判決の更正決定という形になる。
 今回の検討では、その後の執行は対象としないが、裁判所内にある電子データを利用しての話になると思われる。問題は判決の送達で、フロントヤードにアップされた時点を送達日とみることができるかが検討されたが、やはり到達主義を前提とすると、当事者がそのアップされたものにアクセスしない限り、送達されたとは言えないという意見が強かった。もし、当事者がアップしない場合は、どこかの時点で紙により、特別送達(場合によっては公示送達)というような手続きに寄らざるを得ないのではないかということになった。そういうことで、会議が終わり、福岡に戻る。なお、今日は2月14日、行き帰りの飛行機内で、バレンタインのチョコレートが配られ、単純にうれしかった。

 2月15日(金曜日)朝、歯医者さんに寄って、事務所へ。午前中はまじめに作業をして、午後は労働委員会へ。今日は、それほど長い時間もかからず、4時には終了。事務所に戻って作業をする。夕方から雨になり、ジムに行くことにして今週はこれでお終い。

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2019年2月10日 日曜日

今週の1週間(2月4日から8日)

  2月4日(月曜日)立春。昨日に続いて暖かい。朝は、いつものような週明けの月曜日。それを片付け(サクサクとこなしと言うべき
なのだろう。)、それに、金曜日に明日の期日の準備書面が出されたので、それに対応する準備書面(2枚)を書く。書面による準備手続きなので、基本的には書面が必要だろうという意識の下であえて作成したものである。
 その後、少し早めにロータリーへ。ロータリーを後はそのまま事務所に戻って、少し作業をする。夕方からは、IT化のための模擬裁判のため、原告側はある事務所に終結。今回は3回目の期日ということで、今日は、裁判所からの見学もある(代理人事務所からはどのように見えるか、という点の確認もあったようである。)。模擬裁なので、人証調べはなく、争点整理と和解の可能性を議論しただけで終わる。当初は、スカイプとワンドライブの利用ということだったが、今回からはティームズの使用の実験となる。当然、パソコン上での映像の問題と音声の問題の2つが問題となるが、映像及びそのスムーズさは、スカイプよりティームズの方がよさそうに見えた。ただ、音声はスカイプとあまり変わらないかな(つまり、ときどき切れる)と言う感じだった。裁判所が予め用意したブロックダイヤはティームズのファイルで参照できた。ただ、本番の訴訟では、やはり記録(手持ちの記録、提出された双方の準備書面、場合によっては書証)は、別の画面に出すか、紙ベースにプリントアウトされたものを見なければならないと思う(模擬裁の気楽さはある。)。音声では、隣のスペースで、別の事件の打ち合わせがされていて、どうしても、その音声を拾ってしまう(裁判所や相手方にも伝わる。)。結局、駅やその他の人の出入りの多いところでは、少し難しいのではないかと思われた。)。

 2月5日(月曜日) 午前中は、昨日、あわてて準備書面を提出した事件の書面による準備手続(双方とも裁判所には出頭しない。)。2回目の電話会議期日(初回は擬制陳述だった)、一応、双方からのある程度詳しい準備書面が出された状態ということになったが、裁判所からちょっと予想外のことを言われたので(その意味では、暫定的な心証開示がされているということになる)、もう少し対応を考える必要が生じた。電話会議そのものは30分程度で終了した(30分は結構短く感じられた。)が、その後の整理に結構時間がかかり、午前中はそれでつぶれる。
 午後は、交通事故の判決書を受け取る(判決言渡しは先週木曜日だったので、判決書の完成としては納得できる範囲である。)。当然、過失割合の認定が問題となった事件であり、判決前に裁判所から和解を前提に示された過失割合と判決の内容に違いはなかった(その意味では予想通りの判決だった。)。ただ、原審が結局判決になったのは、過失割合に納得のいかない当事者がいたということであり(和解ができないのだからそういうことになる。)、控訴されるだろうなと思うことになる。今日は、一転して寒い日になったので、早めに終わりにしてジムに行くことにする。

 2月6日(水曜日)さて、昨日検討が必要になった問題を設例化すると、甲債権者(債権額300万円)、乙債務者、乙の長男Aが保証人。その後乙死亡により、乙の債務をAとほかの2人の子供B、Cが相続。Aが210万円を弁済した場合、①甲はB、Cに対し残債権いくらを請求できるか、②AはB、Cへいくらの求償権を行使できるか、とはどうなるかという問題(Aの弁済の際に、甲とAの間で充当について特段の合意が無い場合を前提に)。
 乙の債務は、相続によりA、B、Cが100万円ずつの分割債務を負担することになる。Aの210万円の弁済は、保証債務の一部弁済となるとともに、自身の債務100万円を超える110万円については、B、Cの債務を弁済したことになる。甲A間に充当についての特段の合意が無い場合は、Aは、B、Cに対して55万円を求償でき、甲も残債務90万円について、B、Cそれぞれに45万円ずつ請求できるにとどまると考えるのか、と言う問題である。Aの求償権は、甲のB、Cに対する債権が代位されたものであるから、実質的には甲がB、Cに請求できなくなった部分と考えるしかないが、甲とAとの間での合意が無い場合にはどうなるか、結構難しい問題のように思う(甲Aについて、①BあるいはCの無資力の危険(甲はBにもCにも90万円を請求できるとするのでは、BCが不可分債務を負うということになってしまい、相続により債務が分割されるという趣旨に反するであろうし、甲がBまたはCにしか請求できないとするとBまたはCの無資力の危険を負担することになってしまう。無資力の危険の問題は、Aについても同様に生じる。)と、②求償の循環(例えば、AがBに100万円を求償できるとして、Bがこれに応じた後、甲がBに90万円(45万円でも良い)を請求した場合、Bはこれに応じざるを得ない。その後に、自身の債務100万円を超える部分(90万円あるいは45万円)を、Aに対し求償することになるのか。)を避けると言う問題もある。)。

 2月7日(木曜日) 今日は、結構難しい問題での相談。企業法務の問題なので、詳しくは書けないが、営業協力の一環として、一部の資材の無償提供をの話を続けていたが、本来の営業協力ができないと判断した場合に、資材の無償提供がどうなるのかという問題である。
 抽象的に言えば、全体的な営業協力の内容がどの程度具体化されたものであって、その中で資材の無償提供の内容も定まっている場合に初めて無償供与が法的な義務になるというように思う。ただこういう場合は、結局、営業協力関係の破棄(そもそも営業協力関係がどの程度できていたのかが事実認定の大きな問題となると思うが)が、債務不履行、契約の不当破棄、契約締結上の過失などの問題に直ぐに発展する可能性がある(訴訟になれば、損害賠償請求額が跳ね上がる可能性もある。)。その意味では、細かな事実関係の組み合わせが重要な問題になりそうである。

 2月8日(金曜日) 一昨日の問題について準備書面を書くことで一日が終わってしまう(他の論点もあるので、司法研修所での即日起案のような感じである。)。期日は一か月ほど先なのだが、今書いておかないと書けなくなってくるかもしれないので、一応書き上げておきたい。無論、来週読み直して書き直す予定である(準備書面は裁判所に対する説明書なので、分かりやすく丁寧に書く必要がある。)。
 途中で、電話での相談があり、事務所での相談もあったので、結局、今日は、準備書面の第1案を書いただけで終わってしまった。
実は、昨日7日が、現在の建物での福岡県弁護士会の業務での最後の日だった。1週間の引っ越し期間の後に、18日から新しい会館での業務ということになる。私の登録時(1988年4月)は、この建物で福岡県弁護士会への入会式をやった(具体的な記憶はない)。それからほぼ30年間お世話になったという意味では感慨が深い。長い間、ありがとうございました。ということで、今週はおしまい。

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2019年2月 2日 土曜日

今週の1週間(1月28日から2月1日)

 1月28日(月曜日)今日は、日弁連のIT化委員会に出席できず(午後から他の要件があり、スカイプでも難しかった。)、午前中は、朝、IT化の配布資料を読み(人証調べが主な対象だった。ウエブでの人証調べで、裁判官の心証形成がどのような影響を受けるのか、おそらく、ウエブでの人証調べは、入院中の者など裁判所に来ることが困難なものについてはやむを得ない場合があるとは思うが、やはり、裁判所における尋問を期待したい。裁判所で、関係者や傍聴人の前で宣誓をすることの効果は思っっている以上に大きいと思う(個人的には、尋問の準備の際に、証人が証言の内容や言い方について、裁判所から誤解されるかもしれないのでそういう言い方は避けて欲しい(もちろん、偽証を教唆しているわけではない。)と注意しても、実際の尋問では、主尋問の際には、やはりそう答えてしまったという証人の例をたくさん経験している。それは、裁判所の雰囲気や宣誓にそれなりの重みがあることを意味していると思う。

 1月29日(火曜日)今週は目立った予定も無く事務所で過ごす時間が多くなった。集中してロータリー関係の資料を読み、予め必要かと思われる資料を作成しておく。そういえば、先週末には、大阪地裁堺支部での刑事事件(バイクを追いかけまわして相手を殺したする殺人で起訴された事件-判決は殺人罪を適用)だが、車で相手のバイクを追いかけまわしたのは事実のようだが、殺意はどの時点から認められたのかはっきりしない。追いかけまわしたどの時点から殺意はが生じ、殺人罪の実行行為を認定できるのだろうか。また、最後の段階で被告人がブレーキを掛けたということがあるようだが、実行行為との関係で、どのように整理されるか分からない。相手のバイクを追いかけまわして、バイクが転倒するかもしれないということについては未必的に認識がある場合では、その段階で傷害罪の故意は認められ(実行行為をある。)、バイクの速度や道路状況からすればバイクの転倒により運転者が死ぬかもしれないということを未必的に認識して車を運転すれば、その段階でから殺人罪の実行行為が開始された考えることになると考えるのだろうか(そうすると、高速道路などでの追っかけは、ほとんどが殺人未遂罪になってしまうかもしれない。相手が転倒してケガなどしない限り、現実には起訴されることはないであろうが)。ただ、なんらかの理由で、切れてしまい、追いかけを始めるとそれが全て殺人や傷害の故意犯になってしまうというのは、やはり無理があると思う。また、車がブレーキを掛けてスピードを緩めた行為はどのように評価されるか(今回は直前のようだが、もう少し前に追いかけを止めていた場合、バイクの転倒との因果関係が無くなるのかという因果関係の断絶の問題になるのかもしれない。そうすると、殺意のある追いかけが認定されるすると、その点で殺人未遂1罪になるように思う(道路交通法上の問題は別である。)。

 1月30日(水曜日) 午後から、刑事事件の被告人に面会。追起訴の捜査の状況について話を聞く。わいせつ電磁的記録有償頒布目的保管のようである。数年前にそういうものをダウンロードしてそのまま消去していなかった(保持している)という追起訴の内容である。
 最初の起訴が、わいせつ物の有償頒布なので、追起訴分もそのまま認められそうだが、数年前にダウンロードしたものが、そのままハードディスクに残っていた点をとらえて、いろいろ言われるとつらいところがあるという気がする(もちろん、犯罪の成立には有償配布目的という限定がかかっているため一般の人には関係がないが、過って変なものをダウンロードしてしまったりすると、後で結構大変なことになるかもしれない。)。
 今日は、遅くなったが事務所での新年会。今年が、良い1年でありますように。

 1月31日(木曜日) 今日は寒い一日になった。午前中、事務所でいくつかの作業をした後、福岡市近郊の警察署へ被疑者国選事件での接見に行く。自宅とは方向が違うこともあり、寒いこの時期の夜、この警察署に行くのは避けたいので、昼食時(一般面会の時間を避けて昼休み中に行く)に行く。2月5日(火曜日)が20日満期のため、自分の予定と合わせてもこの日くらいしか接見に行けない。20日間での勾留期間に3度の接見なので、何とか責任は果たせたと思う。
 事務所に戻って、いくつかの書面を書き始める。今日は早めに切り上げてジムに行くことにする。1月はかなりヒマだったが、2月になったら、きちんとお仕事をしたいなあと思う(溜まっている分はほとんど片付けたので)。

 2月1日(金曜日) 今日は、午前中にいくつか作業をした後、ロータリー地区大会にかかわる作業のためにクラブ事務局事務職と一緒に会場となるアクロス福岡の事務所で打ち合わせ。午後は労働委員会へ。公益委員会、総会とも充実した会議となった。4時過ぎに事務所に戻り、蘇峰の相手方から送られてきた準備書面を読み、反論のための準備書面を書くかどうかを検討する(来週水曜日が期日で、書面による準備手続でトリオフォンを使った電話会議のため、事前の書面の提出が必要となるが、それには少し難しいかもしれない。)。というあたりで今週は終わる。


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