弁護士ブログ(日々の出来事)

2021年1月16日 土曜日

今週の1週間(1月12日から15日)

 1月12日(火曜日) 先週の後半から雪に閉じ込められていて、土日は一歩も家から出ていない。昨日はスポーツジムなどいつもの日曜日といった感じで、今日が火曜日というのにはどうもなじめない。ただ、先週金曜日のアメリカの議会が占拠されたというのには、やはりびっくりだった。日本で言えば国会議事堂が占拠されるということだから、ただ事ではない(トランプ大統領がそれを煽動したのかどうかはさておく)。むろん、世界を見ればそういうことは決して稀なことではないようなのだが(国会が抗議する群衆に包囲されるというのは、世界中で起こっていることで、それからさらに群衆が国会内になだれ込むというのも稀ではない)、それがアメリカで起こるというのは信じられない(議会警察という組織がどの程度の規模なのか分からない。ホワイトハウスの警備は厳重のようだが、それほどまではないとしても、武装警察なので(射殺された人がいる)、そんなに簡単に侵入を許すものなのかと思う―陰謀論の積りは全くない。)。むしろ、予測していないことに対する対応は難しいということを改めて知らされたということだろうか。議会に向かった群衆に、議会での大統領選の承認を阻止することが必要であり、その点についてトランプ大統領も認めたという認識があれば、その行動を阻止するにはそれなりの準備が必要だった議会警察は認識すべきだったということであろう(議会内への侵入は許されていると思っている訳だから、対応する議会側の準備にはかなりのものが必要になると考えておかなければならなかった)。そういう結果を招いたのだから、トランプ大統領の発言は、それを煽動したという見方が出てくることになろう(トランプ大統領自身にそういう認識があったのかどうかは、また別の問題である)。
 これが、直接民主主義の持つ一つの怖さなのか、陰謀論にとらわれた集団の怖さなのかはわからないが、現代社会の持つ怖さの一つの現れなのかもしれない。
 週の初めなのに、あまり仕事をしていないように思える。明日はがんばろう。

 1月13日(水曜日) 午前中は、結構長い打ち合わせでほぼ使われてしまう。午後は、Zoomでの日弁連のIT化WGの会議。13時から18時過ぎまで続く。私は担当が無かったが、担当箇所を持つ委員はいつものことだが大変である。やはり、IT化の義務化に向けての感覚が微妙に違うので、その差が出てしまう。1年前は、一般的な義務化に絶対反対という意見が強くて(紙で出す権利が保証されていると意見があった)、そういう考えは30年、50年後もそれでは通らないだろうし、弁護士などの士業者への義務付けはやむを得ない(会内でなんとかしろという意見には反論できないのではないか)と思っていたが、そういう意見は少数派だった。
  それから1年が経ち、中間試案が出された今回の議論では、デジタル弱者が多く存在していることを前提に(将来的には)義務化に賛成(甲案)とはっきり言うのか、それとも弁護士についての義務化は認めるが一般的な義務化については賛成しない(乙案)と言うのか微妙な問題となった。結局、段階的な義務化を前提とするという案になったが、弁護士会の全体では色々な意見があると思われる。
 もう一つは、やはり新たな訴訟手続に対する評価である。従来から議論されてきた迅速化を念頭に置いた議論から、今回は、当事者の合意に重点を置いた提案(乙案)も出されており、この評価で分かれる。WGでは、乙案に修正(弁護士選任が条件)の他に、当事者の申立によるある程度自由なこの手続きからの離脱も考えられて良いという意見が出された。個人的には、前の段階からこの意見に賛成だったので、議論の進歩が見られてうれしい(迅速化促進という発想がなくなったのかは不明である。)。

 1月14日(木曜日) 午前中に裁判所に行く。ずいぶん久しぶりである。刑事の判決言渡し期日なので裁判所に行くのは当然である。無罪主張だったが、判決は有罪。ただ、納得が出来なかったのは、被告人が検察官による勾留質問前の調書の際に勾留の対象となる事実についてした説明とこの法廷での説明と違いがあることをもって、証言に変遷があるので、法定での証言は信用性がないとした点である(この点は、検察官も強調していた)。検察官の勾留質問の際の調書はとても簡単なもので(自分が司法修習生の頃はそうだった。)、被疑者の言い分を正確(と言うより丁寧)に書いていたとは思えない(今は違うかもしれないが、その段階での検面調書が後日の裁判の際に検察官から証拠として取調を請求されることがないので、やはり、検察官も信用性が低いと思っているのではないかと思う。)。逮捕後間もない段階なので、被疑者も(特に最初から否認の場合)正しい説明をしようとは思っていないので、そのときの証言から変遷があるというので公判廷での証言の信用性は低いというのはどうだろうか。
 午後は、ようやく仮処分の申立てが出来て、少し解放された。良かった。それで気持ちよくジムに行ける。

 1月15日(金曜日) 暖かい一日になった。午前中は、福岡近郊の警察署へ。告訴状の提出とその説明だったが、中で3時間ほど事情(背景事情が中心)を聞かれる。正式に受理されるかどうかが難しい問題なので、かなり質問されるのは当然だが、当事者を差し置いて、弁護士だけに長く訊かれるのは珍しいと思う(事件が複雑な故かと思う。)。
 予想外のことで(1時間もかからないと思っていた)、事務所に戻るのが遅れる(それに結構疲れる)。
 そのため、午後は多少惰性の仕事で終わる。日弁連のIT化WGの担当者は、先日の議論を経ての文章の書き直しをしているところであり、それを考えると楽な週末となる。ということで、今週もお終い。

  




投稿者 あさひ共同法律事務所

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