弁護士ブログ(日々の出来事)

2019年9月 7日 土曜日

今週の1週間(9月2日から6日)

 9月2日(月曜日)今日から正式にロースクールのエクスターン生の受け入れ(1週間)が始まる。そうは言っても、私は12時の飛行機で日弁連の委員会(民事司法改革総合推進本部)に出席のため、11時までしか話ができなかった(無論、読んで貰う記録は前もって、準備していた。またF弁護士にも指導をお願いした。彼女は、ロー生には文章力アップのため、起案をさせるということになった。)週の始まりのルーティンな作業を終わったところで、11時になり、事務所を離れることになる。民事司法改革推進本部も、新年度がスタートして3度目の委員会(7月から始まり、2回目は8月の夏休み中で、本部内にある部会の編成-希望者のとりまとめの時期であって、実際に各部会が活動を始めるのは9月以降ということになる。ということで、今日の委員会は比較的スムーズに進行した。私は証拠制度部会だが、IT化に関する証拠手続きの議論は特に進んでおらず(全体的な制度設計後の検討にならざるを得ない)、法曹3者での打ち合わせが別のルートで始まっているので、その関係での議論をするのかどうか、まだ腰が定まっていない。
  夕方の飛行機で福岡へ。2時間の会議のための東京往復は少しもったいなような気もする。

 9月3日(火曜日) 午前中は、高裁での民事の控訴審(第1回期日)。この部では、第1回期日前に担当裁判官が進行協議期日を入れている(以前の高裁との協議会でそういう話だった。)。夏季の休廷期間期間があるためでもあるが、地裁から記録が届いてそう間もない時期での期日だった(当然、控訴理由書の提出期限前だった。)。そこでは、なかなか和解が難しいという話で、その後、控訴理由書が出されたが、特段に第1審と主張内容が変わるものではなく(追加主張も無く)、高裁の期日でも初回結審、その後、裁判所から和解の可能性に関して、具体的な金額を示した和解案のようなものが出されるかというような予測だった。
 ロー生も、控訴審の傍聴は初めてで、実際の口頭弁論期日の進行にはかなり興味があったようだった。いつもの初回のように進行し、裁判長から弁論の終結と判決期日が言い渡され、その後、主任の裁判官による和解のための話し合いが進められることになった。ロー生の同席を認めて貰い、交互方式での話し合いが進められたが、裁判所から積極的な和解案開示まで行かず(控訴人の意見を聞いたところ、とてもこちらが飲めそうな内容ではないと判断したようで-実際にその内容を聞いたが、やはり全く想定もしないような低い金額だった。)、次回の協議の日程が決められることなく終了した。
 午後は、明日の午前中の労働委員会でのあっせん事件の記録を読むなどしていたら、いつの間にか、ロー生の歓迎会の時間になっていた(その前に、ロー生には、家屋明渡の起案をお願いしており、その結果の講評(酷評?)タイムとなった。無理もないのだが、賃料不払いによる解除が契約条項のどこに基づくものなのか、それとも債務不履行による法定解除なのか、未払い賃料に対する遅延損害金の請求があるのか、その遅延損害金と解除後の明渡し遅延の場合の(賃料相当)損害金の違いを請求の趣旨にはどのように表すのか、などロー生や修習生泣かせの結構難しい問題点がある。

 9月4日(水曜日) 朝は、労働委員会へ直行してあっせん事件のあっせん。誠実団交を求めてのあっせん事件で3回目の期日なので、前回終了時に、双方に対して次回はあっせんを終了させるという宣言をしていた関係もあり、今日であっせんを終了させたいという意向は労使の双方に伝わっていたと思う。事実関係について双方の認識は概ね一致しているので、その認定で細かなことを言う必要はなく、それまで何回か協議続けてきたという実績があることから、改めて、誠実団交の意味を双方が理解していることを前提に、使用者は組合から団交を求められた場合は、誠実団交の趣旨を理解して団交に応じるといった、極めてオーソドックス、抽象的な内容のあっせん案になった。本当は、協議すべき対象として具体的にそれまでの労使の交渉の中で挙げられていた事項を具体的に示して、「等の」でくくるということも考えたが、そこまでは納得されず、抽象的な文言にとどまった。まあ、あっせんの中で、使用者には、団交への誠実対応の内容について、少し具体的に示して、理解を求めたので、その点は、良かったと思う。今回も双方の当事者の理解を得て、ロー生にあっせんへの立会を認めて貰っており、その点はありがたかった。
 午後は、弁護士会の法律相談。これもこのところ、相談者が少なく、せっかくロー生を連れていくのに、暇だと困ると思っていたが、結局、3時間で5件となかなか盛況だった(事件もバラエティに富んでおり、ロー生への教育効果も上がったと思う。)。

 9月5日(木曜日)朝、県庁の建築指導課へ。これもロー生も同席。行政の対応の仕方など興味深いところがあるように思う。ただ、解釈基準については、担当者が変われば変わる可能性があるということで、それではどうかなというところである。
 午後は、相談で時間を使った。夜は、明日の中央委での研修のために、東京へ向かう。

 9月6日(金曜日) 午前中は、少しだけホテルでのんびりし、10時過ぎに中労委会館へ。昨年と同様の公益委員研修。12名の比較的新しく公益委員になった方に対する研修。1時間40分の時間で、和解についての研修である。和解の経験交流のイメージだと思うが、ケースによりかなり違うので、私は昨年と同様に、調査期日をどのように運営するのかを考えるべきだということを持論を展開することになった。民事裁判と同じで暫定的心証開示が大切であるという点を力説する。もちろん、その前提として早期に事実関係を(ある程度)明確にしてその上で、解決方針を示すということが必要だと思う、という話をする。その前日からの各種の中労委の講義内容とは少し方向が違っていたようで、申し訳ないようには思う。
 12時40分に終了。2時の飛行機で福岡へ戻るが、事務所に着いたのは4時40分。この日はあまり利用できないまま終わってしまう。ただ、空港で入道雲を見て、しばらくは暑い日が続くと思う。




投稿者 あさひ共同法律事務所

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