弁護士ブログ(日々の出来事)

2019年1月19日 土曜日

今週の1週間(1月15日から18日)

 1月15日(火曜日)午前中は、ようやく仕上げた、日弁連70年史の原稿のチエックをして、日弁連に送る。民事司法改革という項目立手の中の証拠収集手続の拡充というテーマなので、この10年間の証拠収集手続の拡充への日弁連の取組みの記載が中心となると思うが、少し戻って書くとなると、20年前の平成8年民事訴訟法改正の際に、証拠収集手続に関して色々と議論されていたことがその後どの程度取り組まれてきているのかを書けば良いということと割り切って書いたが、それで良かったのか、他の人の原稿を見ていないので、不安亜である(それにしても3200字程度というのは、結構短い。)。 
 午後は10日後の1月25日に第1回目の期日が開かれる国選の刑事事件の準備のために、接見に行く。先週、追起訴があると言う連絡を受けたので、その捜査がどこまで進んだのかを確認に行ったものである(最初の起訴は認め事件であり、同種の事件の追起訴なら基本的に認めるという事件になるため、起訴が何時頃になるのか、そしてどの時期に結審できるかが気になる。)。ところが、何も取調べを受けていないということが分かる。被告人は、そもそも追起訴があるということを知らなかった。それでは、事件の進行について、裁判所とも協議する必要があるということになる(12月20日に最初の追起訴が終わっていて、その時点ではさらなる追起訴はないという話だった。それを前提に1月25日の期日を入れたのに、追起訴から正月を挟むとはいえ、それから25日たっても追起訴分について被告人の取調べが無いというのは、別の事件での再逮捕の場合は、逮捕・勾留まで最長23日間なのに、同種の事件で25日もの間、ほとんど何もしないというのはどうかというものである。
 その後、事務所に戻って、民事の事件の控訴理由書の追加分を起案する。

 1月16日(水曜日) 朝、刑事の裁判所に連絡。裁判所も追起訴の予定の日にちを知らないということで、検察庁に問い合わせるということだった。結局、夕方検察庁から連絡が入り、追起訴分については、警察から何も資料が上がってきておらず、1月末までに資料を送るという連絡があったということにとどまるということだった。そうすると、検察官が検討する期間があるので、追起訴自体は2月10日ころになり、書証の開示とこちらでの検討期間を入れると、次回の期日は早くて2月末の期日となり、判決は3月中旬ということになりそうである(1月25日結審で2月10日ころ判決という見込みからは1か月遅れとなるし、そもそも11月末の最初の起訴の時に予測していた第1回期日は正月明けの1月初旬だったのだが、それが裁判体の構成の関係から2週間ほど遅い1月25日になってしまったもので、最初の見込みからすると2カ月近く遅くなったことになる。)。警察が追起訴となる同種の余罪事実をどの時点で認識したのかは不明だが、もし昨年のうちに知ったとすると、時間がかかりすぎていると思う。この事件では、被告人が一人住まいで、借りているマンションの家賃の支払いが止まっているため、荷物が運び出されているかもしれないという心配があり、早い事件進行の希望があったものである。国選弁護人は、民事事件は受けないので、本来関係のないことではあるが、そういう希望を無視という訳にはいかない(結局、不動産管理会社との連絡をすることにはなる。)。
 
 1月17日(木曜日)午前中は、昨日も書いた刑事事件で少し工夫をしたいと考えていることがあり、それを検討する。刑事件では、書証のほとんどは伝聞証拠であり、相手方の同意が無ければ裁判所には提出できない。弁護側が裁判所に提出する書証のうち、示談書や贖罪寄付などの定型的に問題が無いと思われる書証については、検察官も取調べに同意してくれるが、そうでない書証については、なかなか同意しない。ネット情報など同意をしてもらうことは相当に難しい。検察官の同意が無ければ、その書証を裁判所が目にすることはない。そこで、弁護士の工夫としては、証拠の取調べ請求書(これは裁判所に提出する)の立証趣旨の記載欄に、文書の意味や内容などを記載してその書証が不同意となっても、その内容を裁判所に知らせようとするなどがある(やりすぎると、主張なのか、証拠なのか分からなくなる。)。刑事裁判では、民事裁判と違って、主張と証拠が切り離されている(民事では主張は制限されず、かつ主張と証拠を切り離さず、両者が一体となって提出されるのが望ましいとされている)。刑事事件での主張は、検察官は冒頭陳述で行う(冒頭陳述の内容について、証拠調べを請求するという順番を踏む。)。そうすると、弁護側でも、罪体に争いは無くとも、検察官の不同意が予測される書証(ネット情報など)については、冒頭陳述を使って、その旨の主張を行い、それについての証拠調べを請求することは可能なように思われる(ここでは、主張として、当該書証に記載されている内容をある程度引用しつつ述べることは許されるように思われる。証拠調べ請求書の立証趣旨の欄に書証の内容を引用するよりはマスなように思う。)。
 問題は、検察官への書証の開示は期日前に行うが、冒頭陳述は裁判所の期日で行うということの関係である。結局、これは、検察官に対し、事前に書証の取調べ請求書と弁護側の冒頭陳述を示しておくという対応を取らざるを得ないのかなとも思うが、どうだろうかというところである(初回期日の進行の関係で、裁判所にも、被告側が冒頭陳述を行うということを連絡しておく必要がある。裁判員裁判でもないのに、罪体を争わないが冒頭陳述を行うというのは、裁判所を少しびっくりさせるかもしれない。)。
 午後は、労働委員会。5時過ぎまでみっちり公益委員会、幹事会、総会、委員研修を行い、終わったあとは、委員事務局集まっての新年会で閉める。皆さん、今年もよろしくお願い申し上げます。

 1月18日(金曜日) 昨日連絡のあった当番弁護士(被疑者国選事件)で、福岡近郊の警察署へ。その後、火曜日に接見に行った方の被告人との謁見に警察署のはしごをする。後の警察署では、昨日から取り調べが始まったということであった。私の水曜日の裁判所への電話で、検察庁、警察署へ連絡が行き、ようやく動き出した感じである。事務所に戻ってからは、少し作業を行い、今週はお終いとする。ジムに行って来よう。


投稿者 あさひ共同法律事務所

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