弁護士ブログ(日々の出来事)

2018年11月23日 金曜日

今週の1週間(11月19日から22日)

 11月19日(月曜日)今週から2019年度の弁護士日誌(手帳)を使う。こんなに早くから翌年度の手帳を使うのは始めてだが、2018年度の手帳に不備(背表紙が割れる)があったためだが、すがすがしい気持ちになる(もう一つ、新しい手帳の色が昨年の茶色と全く違う明るいブルーなのにもよるのかもしれない。)。
 そういう気持ちで始まる1週間になる。実は、今週は福岡の裁判所との間で民事裁判のIT化に関する協議などが動き出す1週間となる見込みである(本来、先週末の日弁連IT化に関するワーキンググループの集中討議に出て、そこでの議論を理解して臨みたいと思っていたのだが、他の用件があってそれに欠席したため、どういう議論がされたのかはあまり分かっていない。)。
 とにかく、月曜日の午前中は、いつものように、恒例のいくつかの作業をすることになる。先週末のITWG(ワーキンググループ)での資料が、飛び交っており、その整理だけでも結構時間を取られる(目を通すまでは行っていない。)。
 昼は、RCへ行き帰ってきた後は、午前中の続き(資料を読む作業)を行う。今日は、夕方からRCの会合があったため、早めに作業を切り上げて、お終い。

 11月20日(火曜日) 午前中は、雑用で終わる。昼間に弁護士会へ行き、福岡県弁護士会のITWGへ出席。福岡地裁と福岡県弁護士会との間でも、IT化に向けた模擬裁判を行うことになっており、実際にどのようにやるのか、いくつかの想定されるグループ(最高裁でのモデルは4種類だった)分けの人選など、他の東京、大阪、札幌などの他の地裁の進行状況などの情報も得ながら進めることになる。模擬裁判の目的を起こりうる問題点を知るという趣旨での実験なのかどうか(あるいは成功体験を得るためのものか)、まだ良く分からない。
 事務所に戻っていくつか作業をしていたら、時間が経ってしまい、午後の九州弁護士会連合会での民事手続委員会に大幅に遅刻してしまう。九弁連のこの委員会は、九州各地での弁護士会と裁判所との協議会の実施等の情報交換の場となっている。その後、委員で福岡高裁の裁判官との協議会に向かう。高裁との協議会は、年3回ほど開かれており、高裁との間で問題点を協議しようというものである。地裁もそうだが、高裁は更に各部により、訴訟の進行の仕方が異なる。今回は弁護士会側から(第1回期日前の)事前協議の開催を議題として挙げた。弁護士会からすると、高裁での1回結審についての疑問もあり、事前協議が必要な場合があるということが前提での協議の申入れだったのだが、高裁での合議が実際には第1回期日の1週間前といった状況(これには、控訴理由書の提出はあっても、答弁書が期日の直前まで出されないことがあり、当然合議が遅れることになる)では、実際に第1回期日前に裁判所から事前協議の問い合わせもできないのではないかという話もあり(そうなると、控訴人には主任の裁判官が誰かは分かっているので、弁護士側から事前協議の申入れをしたとしても、主任の裁判官として、どう答えれば良いのか分からないことになる。)、結構難しい。また、協議の席で、高裁での口頭協議ということが質問された。裁判所とすると、控訴審で出された新しい争点についての理解を深めるための口頭の協議、あるいは争点についての原審の判断に疑問がある場合、はともかくも、原審の判断と同じ判断の場合に、どの程度、口頭での議論を行うのべきかは、色々な意見があるように思う(無論、和解による解決を考える場合は、口頭の議論及び心証開示が重要となる)。この点は、まさに裁判長のやり方により様々なようで、高裁宮崎支部では、以前の裁判官は、弁論期日に口頭で争点の整理を行い(原審と同じ構成の場合を含む)、それを双方の代理人に示していたようである(それが、和解目的なのか、判決となる場合もそうなのかまでは不明)。高裁との協議会が終わって、事務所に戻り、少し作業する。

 11月21日(水曜日) 今日は、電話での相談等が多かった。このため、予定していた作業が進まず終わる。夕方から、福岡地裁との民事裁判についてのプラクティス研究会。テーマはもっぱらIT化に向けた模擬裁判の実施についての打ち合わせとなる。来週にはそれぞれのグループ毎の実施に向けた打ち合わせを行い、作業をスタートさせることになる。一応、使う事例(通称アルバトロスと言われる家屋明渡しの事例)も決まったが、訴状の書き方にも、誰が原告代理人となるかによって、かなり違ってくるように思う(私は、自分では、訴状にかなり詳しく書き込むタイプであり、書証も最初に時点で甲第10号証位を提出することにしており、主要事実以外にも間接事実や補助事実もかなり書き込んでいる。このため、IT化により、争点整理をどのように行えるのか相当に疑問を持っている。訴状の定式化や簡略化が進むのではないかと思うが、それで良いのかどうか、分からない。

 11月22日(木曜日) 朝、警察署に接見に行く。その後、事務所に戻り打ち合わせ。この日は、こ知らが被告となる事件で、離島での第1回口頭弁論期日が開かれた。答弁書の擬制陳述となり、次回以降が、双方の代理人が遠隔地ということから書面による準備手続となり、同時に裁判所と双方の代理人を結ぶ電話会議となる予定である。現行法下でのIT化に向けた一つの形を試す機会となる。別の離島での勤務歴のある裁判官からは、この場合の経験を聞いたことがあるが、裁判所原告代理人、裁判所被告代理人という会話が主で、原告代理被告代理人との間での協議ということはあまり行われなかったようである。この事件では、そういうことに意識した訴訟運営になるのかどうか、見てみたい(当然だが、事件自体がどうかという問題がある。)。
 午後は、先週ようやく、論告求刑、弁論まで行った事件の被告人に拘置所で接見する。これで、今週はほぼ終わりとなり、ジムに行くことにする。
 そういえば、トランプ大統領が、連邦地裁判事に対して「オバマ判事」と言い、ロバーツ最高裁長官が、「「オバマ判事」も「トランプ判事」もいない」といったという話があった。この話が、日本で起きたら、どういう議論がされるか、政府の判断(政策決定)に対して、仮処分で差し止めた判断をした判事に対して、政府が非難したという場合だが、当然、政府による裁判官の独立に対する侵害であり、司法に対する介入だという議論が起こると思われる。確かにそうなのだが、法制度が違うので分かりにくいが、仮処分の扱う対象が政治的に微妙な問題(法律の問題なのか、政治の問題として処理されるべきものか)の場合に、民主的な手続きによって選ばれていない裁判官(アメリカの場合はこの点が少し違うように思う)が無責任に決めて良いのかという問題は出てきそうである。ただし、他方、人権に関する問題は、多くの場合は多少は政治的な要素を含んでいるが、特定の個別の問題については、十分司法が判断できる状態となっており、司法が判断できる(説明の仕方からすると、かつては政治的な対立があった問題であっても、社会情勢の変動や国民の意識が変わったことにより、法的な判断になじむことになり、裁判所でも判断できる内容となった問題については司法が判断できる。)。そういう流動的な内容のものであって、司法と立法、行政との棲み分けについても時代によってい変わっていくのだろうと思う(対象になった問題が司法で判断できる問題ということであれば、トランプ大統領の発言は、日本流に言えば、やはり裁判官の独立に対する侵害行為であり、司法に対する介入ということになろう。)。



投稿者 あさひ共同法律事務所

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