弁護士ブログ(日々の出来事)

2018年7月 7日 土曜日

今週の1週間(7月2日から6日)

 7月2日(月曜日) 午前中は淡々と進んだように思う。朝の作業をした後、明日(3日)の日弁連司法改革推進本部証拠収集部会で議論される9月4日の証拠収集シンポの際に取り上げる項目についての意見を書く(実際は、当然前日の夜に纏めたものだが、月曜日に読み直して少し書き直す。)。
 昼は、RCで、その後、RC事務局での設備(PC、複合機、電話回線など)の状態を確認し、地区大会事務局を設置する際には、どの程度の設備改善が必要かを確認する。思いがけず時間を取られて、事務所に戻って、すぐに弁護士会、それから高裁との協議会に出席する。議題のテーマは、高裁への家裁からの抗告審での審理で、家裁調査官の調査を活用できる旨の定め(裁判所法61条の2第2項)の活用の状況についての問い合わせ。家裁での調査が行われた事件でも、高裁で調査官に調査を命じたケースが29年に1件(28年にも1件あったようである)あるということである。家裁での調査が行われている場合なので、事情が変更したと考えられる場合であると思われる(通常の事件では、原審段階と事情が変わったというケースは考えにくいので結構興味深い。)。
 
 7月3日(火曜日) 朝から日弁連のために東京へ。今日は台風のため、福岡空港では昼の飛行機は、飛べないのではないかと思っていた。実は、1時から証拠収集部会があるため、8時20分初の飛行機を予約していたため、台風が接近する前に飛び立つことができた(台風の速度が遅くて助かった。)。
 そういうことで、証拠収集部会へ出席。証拠調手続から証拠収集手続へ、という考え(スローガン?)を生かそうという意見が強い。確かに証拠調手続は裁判所が主宰する手続で、双方代理人は証拠提出を行う(証拠の申出 民訴法180条1項)が、証拠の採用を決めるのは裁判所である。実際の裁判では書証については、当事者が書証を提出すればそのまま採用されている(例外として考えられるのは、証拠能力のない証拠という概念を認める場合と、人証請求のされない者の陳述書、時期の遅れた攻撃防御方法に関する書証であろう。民事訴訟法181条1項 証拠調の必要が無い場合)。文書についての(裁判所の行う)証拠調べには、①当事者による書証の提出、②文書提出命令、③文書送付嘱託の3つがあるとされ、調査嘱託は、裁判所が職権で行う証拠調手続として理解されている(その回答が書面でもたらされた場合、当該書面は当然に証拠資料となる。)。他方、当事者照会や提訴前照会は、弁護士会照会と同様に、証拠収集手段である。そこで、文書送付嘱託と調査嘱託を当事者照会、提訴前照会にくっつけて、証拠収集手段と考え、証拠調手続の場合に問題となる証拠としての「必要性」の要件を実質上はずそうというアイデアである。ただ、証拠収集手続であるとして、どのような要件で、文書送付嘱託、調査嘱託、当事者照会、提訴前照会を規律するのか必ずしも明確ではない。当事者照会や提訴前照会については、訴状作成や争点整理の準備のための情報収集手段と位置づけ(この場合は、証拠調手続でないのは明らかだから、要件として裁判所が争点についての判断をするための「必要性」という要件は働かない(当事者照会についての163条にも、「必要性」の要件は記載されていない。)、それに文書送付嘱託や調査嘱託の要件を近づける程度かと思われる。さらに、この議論には、文書提出命令について、「必要性」の要件が働くことを乗り越えたいという意識がある。つまり、文書提出命令についても、現在の文書送付嘱託と同様の議論ができないか、すなわち、情報収集手段としての要素があることを意識することで、「必要性」の要件の解釈について、もう少し広げて(要件のハードルを低きする)ことはできないかという考えである。
 個人的には、(提訴前照会は当然だが)当事者照会は、訴訟の早期の段階で行われるものであり、民訴規則53条、78条から82条が期待する訴状や答弁書、準備書面を作成すべきであるとすると、相手方に対する当事者照会や積極的に求められるべきものであり、その要件は(裁判所が判断するものではないが)「関連性」で足りる、主張や証拠の適時提出主義が設けられた以上、適時にそのおゆな資料や証拠となるべき物に関する文書送付嘱託、調査嘱託、及び文書提出命令は、いずれも争点整理のための重要な手段であると理解し、訴訟の初期にその申立てがされた場合は、裁判所としても、争点の判断のために「必要」かという判断はまだできない時期でもある(重要な間接事実が何かという争点自体の関係を確定の問題が問われている段階)。この段階では、裁判所は、早急にその必要性を判断すべきであり、一応の必要性が認められると判断される場合は、文書提出命令を出すべきではないかと考えている。訴訟の初期では、訴訟遅延をあまり考慮しなくても良いし、即時抗告がされた場合は、記録が抗告審に行っている場合でも、進行協議期日を開くことで対応できないかと思うところである。
 
 7月4日(水曜日) 朝の飛行機で無事に福岡空港へ。午後からは労働委員会であっせん。結局、あっせんは不調で終了。残念でした。公益委員として残念なのは、使用者側代理人として弁護士が船員され、団交が申ししれられると、弁護士は職業柄なのだと思うが、団交について労組法7条に定める団交拒否などの不当労働行為に当たらないように気を使って対応するが、それが労使の紛争事態の解決に繋がっているのかどうかわからない場合があるということである。

 7月5日(木曜日) このところ梅雨前線の影響で福岡も雨が多い。今日は、事務所に閉じ込められた一日。午前中は答弁書を作成。擬制陳述なので、申し訳ないが簡単に済ませた。午後は準備書面の作成に時間を充てる。結構説明が難しい内容の準備書面となった。午後は、来週ある事件の準備書面の作成。交通事故の事件で、被告(2名)の代理人が訴訟をのんびり進めたいと思っているのは明らかなので、早く訴訟を進行させるためにも、やはり準備書面をきちんと書いて裁判所をけん制する必要がある(こちらが急がせないと裁判所も、被告代理人のペースに乗って仕舞鵜可能性がある。)。そこで、急いで書面を書く。

 7月6日(金曜日) 今日は、梅雨前線の関係で、天候がすこぶる怪しい。午後4時に相談を入れていたので、それまでは帰れないということで、昨日書いた答弁書の事件で、反訴(正確には別訴)を起こす必要があり、まじめに訴状を書き始める。結局、ほぼ1日係りとなる。帰ろうとしたが、いつも利用している交通機関が途中でストップしていることが判明(事務所の周りはそれほどの雨でもなかった。)。別の公共機関を使って家の近くまで帰り、そこから歩くことになる。タクシーは当然捕まらず、また道路は渋滞しており、いずれにしても歩いて帰ることを決める。結局1時間20分歩いて、8時には自宅についた。自分で言うのもなんだが、ご苦労様でした。おかげで早く家に帰れました。ということで今週はおしまい。


投稿者 あさひ共同法律事務所

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