弁護士ブログ(日々の出来事)

2017年7月 8日 土曜日

今週の1週間(7月3日から7日)

 7月3日(月曜日)午前中は、先週の保釈の決定を待ちながら、労働委員会の決定書の原案を検討する。原案自体は事務局が、事実認定の部分などかなり詳細に検討をしているのであまり問題は無いが、それでも弁護士という立場から見て、証拠との関係やどこまで書き込むかを検討する。保釈の決定は、検察庁からの意見が午前中に出てそれからということになるが、月曜日は担当裁判官の開廷日なので、法廷があればその後の検討ということになるのでお昼頃になると思っていたが、やはり12時過ぎに連絡があり、保釈決定となる。午後1番に保釈保証金を裁判所に持って行ってもらい、午後直ぐに決定を受け取る。私は、保釈決定のを連絡を受けて安心してRCへ。戻って、相談が1件。
 その後、九弁連民事裁判連絡協議会の最後に顔だけ出して、その後の福岡高裁と九弁連との協議会に出席。協議題は2題。高裁からは、控訴審で気が付くことを何でもよいので言って欲しい、というリクエスト。高裁では各部での取り扱いが違うのでそう簡単には意見が言えない。ついつい、1回結審を前提とすると第1回弁論期日では、裁判所(特に主任裁判官)は判決書作成を意識して、初回で細かいことを聞かれる場合が多い(記録も直前に読み直している)。しかし、弁護士は、控訴理由書を作成する時点では記録をそれなりに読み込んでいるが第1回期日に際してはそれほどは読んでいない(個人的には原判決と控訴理由書と重要と思われる書証を読み返す程度で、細かな点は忘れている。特に被控訴人の場合はかなり忘れている。)。このため、裁判所から細かな点を聞かれても答えにくいので、釈明であれば、事前に連絡をいただきたい旨を要望する。この他の議論として、控訴答弁書の提出時期の実態がテーマとなる。控訴人からすると、控訴理由書を直送する相手がどこなのかが不明な場合があり、まごつくことがある(答弁書が出されていれば、そこに代理人の名前が記載されているのでそこに直送できるが、そうでないと分からない。)。他方、被控訴人の場合は、控訴理由書を見て(きちんとした)答弁書を書こうと思うので、答弁書を直ぐに出すというモチベーションが出にくいし、控訴理由書の提出が遅れる場合もあるので、答弁書の提出が遅れるということはそれなりにある。
 もう一つ、弁護士側からは、文書提出命令の抗告審での処理の実態についての質問であり、高裁からは、1年間で5件が申立てられ、平均審理期間が46日(最長が112日、最短12日)とう話だった。ただしこれは、高裁が受け付けた時点からのカウントで、地裁で記録を整理して高裁に送られるまでの期間は含くまれていないので、その期間をカウントするとやはり3ヵ月近い期間は、審理が止まることになる。件数が少ないのは、判例がほぼ固まったこと、事前に裁判所から相手方に当該文書の提出の説得作業を行っていることによるのではないかというのが裁判所の解説だった。

 7月4日(火曜日)この日は台風が上陸するということで、色々なことがキャンセルとなった。ところが台風自体の影響はほとんどなく、事務所内での色々な作業を進めることになった。
午前中は、準備書面を一つ作成。木曜日の事件での相手方から求釈明を含む書面が出されたので、それに対応する書面を期日前に出しておく必要があった。会計帳簿に係わる問題で、提出を求められるものが、どういう観点から必要なものであるかが分からなかった。その必要性についての議論が、裁判所を含めて共通の土台に基づいて議論できるかが分からなかったので、その議論の前提について事前に書面を作成して裁判所にも見てもらう必要があった。
 午後は、労働委員会での昨日の作業の続きをする。個人的な趣味で直し始めるときりがないとおもいながら、少しずつ直していく。

 7月5日(水曜日) 今日は、日弁連民事司法改革総合本部の委員会に出るため、昼前の飛行機で東京へ。台風一過の天候ではなく梅雨空を続く。そこまでは良かったが、帰りの飛行機に乗るころには、福岡県に大雨特別警戒予報(もう正確な表示は覚えていないが、数十年に一度の規模の大雨だというアナウンスだった)が出て、私の自宅の近くの地域には避難勧告が出されたことを知る。個人的には福岡空港に飛行機が到着できるのかという不安を感じたが、その点は無事に到着し、その後も自宅には何事もなく帰りつく。ただ、福岡県中部南部の被害は大きく、これがその後も続くことになる。つい先日、大きな被害を受けた地域に観光に行ったばかりだったので、その付近が水につかったり、流木が流れ込んだりして大きな被害を受けているのかと思うと胸が痛む。

 7月6日(木曜日) 我が家から事務所には特に混乱もなく行けたので、いつもの通りの事務所の開始となる。朝、打ち合わせを1件行い、その後、弁論準備が1件。火曜日に準備書面を出した事件で、やはり、会計帳簿に関する双方の考えの前提が違っていた。裁判官は4月の移動で交替したので、こちらとしても、どの程度記録を読み、事件を把握しているのか分からないし、会計的な知識をどの程度お持ちなのかもわからない。そのあたりを探る必要もあって、口頭の議論をするために事前に書面に出し、その内容について口頭での説明を行う際に裁判官がどの程度理解できたのかを確認する必要があった。共通理解を図るという点からすると、ある程度できたような気もするが、どうだろうか。
 午後は、労働委員会でのあっせん事件。2回目のあっせん期日だったが、会社に、個々の労働者の労働条件(待遇)についてあっせんを受けるつもりが無いという意思が明確だったことから、あっせん案を出すまでにも至らず、あっせんは打ち切りとなった。

 7月7日(金曜日) 午前中は、いくつかの作業をやりながら、2件の弁論に出る。午後は、月曜日に保釈になった事件での被告人質問と論告と弁論で終わる。主任弁護人がいたので、私は特に何をすることも無く終わる。
今日は、福岡地区は雨もそれほどでは無かったが、北九州地区で警報がだされるなど、梅雨前線の影響は大きい一日だった。とりあえず、今週はこれでお終い。ジムに行くことにする。



投稿者 あさひ共同法律事務所

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