弁護士ブログ(日々の出来事)

2017年6月 4日 日曜日

今週の1週間(5月29日から6月2日)

 5月29日(月曜日)朝の飛行機で東京へ。久しぶりの日弁連の民事裁判委員会(このところ、2回ほど出席出来ていなかった。)。委員会は、午後からなのだが、東京新美術館のミゥュシャ展を見に行くつもりでいたが(月曜日に空いている美術館は少ない。)、六本木に着いたら、11時の時点で2時間待ちということであきらめる(6月5日までの開館ということで終わりが近いので混むことは予測していたが、これほどだとは思わなかった。)。このため、当然だが委員会の最初から委員会に出席。法制審で審議されている強制執行法改正と相続法についての議論の進行が紹介される。債務名義を得た後の強制執行のための第三者からの情報収拾については、その第三者が銀行に限られ、生保、損保は含まれるのかですら実現が怪しいというような状況らしい。

 5月30日(火曜日)朝の飛行機で福岡に戻り、11時からの労働委員会の審査事件。尋問後の最後陳述。双方からの書面は当日朝提出される。10頁以上の大部のもので、申立人の組合いのものも分かりやすいものだったし、被申立人には弁護士が代理人となっており、それなりの内容だった。本来提出だけで5分で期日を終えることもできたが、せっかくなので、双方に口頭で5分ほどかけて概略を説明したもらう(期日での書面の交換なので、双方とも相手の書面を読んでいない。)。一つは、双方がいるところで、説明をしてもらいながら、双方の書面を読んで分からないところがあればその場で説明をしてもらう場とする予定だったし、双方には、それぞれ相手方の書面が争点に関する記載が中心に書かれていて、争点となっていない点が書かれていないことを確認してもらう必要があったし、さらに、労使双方の参与委員にもそれぞれの立場での意見を提出してもらうために、双方から提出された最終書面を読んでもらう必要があったということによる。とりあえず、期日が終わって、今後は、労使双方の意見書が出され、公益委員会議で合議が行われることになる。できれば、原案を2ケ月以内、合議を経ての命令(棄却を含む)を3ヵ月以内に出したいと思う。
 午後は、事務所で、2時間ほど作業をして、その後に拘置所へ接見に行く。事務所に戻ったが、今日は、早く帰ってジムに行くことにする。

 5月31日(水曜日) 今日は、朝から精神保健法に基づく被収容者に会いに行く。自宅から車で1時間以上かけて9時過ぎにようやく病院へ到着。ずいぶんドライブをした気持ちになる。通常は、面会希望者である被収容者と主治医の双方に面談するようにしているが、主治医から保護入院の場合は、保護請求者である行政の長の同意が無い場合は面談に応じられないと言われたため、被収容者のみと会うことになる(この主治医の理屈は全くおかしいと思うが、被収容者との面会は早期に行う必要があるため、被収容者との面談を急ぐ。)。ただ、被収容者との面談だけでは治療歴や入院歴、現在の治療内容などを含めた事実関係が確認できないので余り役に立たない。被収容者と主治医以外の病院関係者との面談を終えて、11時に病院を出る。
 2時前には事務所に着く。その報告書などを作成しているうちに午後が終わる。明日は、労働委員会の全国会長事務局長会議が神戸で開かれるため、何となくその準備に追われて終わる。テーマが「働き方改革」に関連する問題点の検討なので、政府の報告書等の事前資料を読む。

 6月1日(木曜日) 今日の、労働委員会の全国会長・事務局長会議が夕方からの情報交換会に出ればよかったのだが、早く福岡を出て大阪城などの観光に出る。久しぶりに難波に行って昼を食べる。大阪城を見学して(昨年の真田丸を見たおかげである。)、夕方に会場へ。司法研修所同期で京都府労働委員会会長と少しだけ立ち話。彼は民事訴訟法の研究者なので、新民訴法施行20年を迎えての話となる。5月の民訴法学会での暫定的心証開示についての裁判官の報告についての誌、来年の学会のテーマが「強制執行法改正」だという話もあり、法制審での議論状況などで情報を交換する(労働委員会とは直接関係が無くて少し申し訳ない。)。

 6月2日(金曜日) 労働委員会全国会長会議が9時からスタート。政府の働き方改革に関する意見書に対応するということがテーマで、厚労省の政策審議官が現在の検討状況を説明。その後に、このテーマに関する全国のいくつかの労働委員会からの報告がされる。いくつかの労委からの意見発表で共通していたのは、これからの多様な雇用形態の発生を前提として労使関係での問題点を使用者と協議する労働者代表はどのようになるのか、労使の合意形成を基本的な考え方とし、その枠を定めるものとしての時間外労働に関する規制などの各種法律の制定と労働者の地位の法律上の確保とそれに伴う司法的審査の機会の増大と裁判所に行く前の解決機関としての行政ADRが想定され、その制度を担う一つとして、公労使の3者構成を取る労働委員会の位置づけの重要性が指摘された。
 労働組合の組織率の低さからすると、使用者と交渉する労働者側の組織をどのように考えるかは難しい。従業員代表を選出とそれに委ねるという構成も考えられるが(この場合、組合の立位置は本当になくなるのではないかと思う。)、その従業員代表の選出と代表に対する全面的な委任ということで適切な労使関係が結ばれるのか不明である。過半数組合制度がとられていないことの当否や、労働者個人加入の合同労組の位置づけ(従業員代表とは別に団交が行われるということにもなる。)など難しい問題が出てくるように思われる。午後はきれいになった姫路城を見学して福岡に帰る。





投稿者 あさひ共同法律事務所

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