弁護士ブログ(日々の出来事)

2017年4月 9日 日曜日

今週の1週間(4月3日から7日)

 4月3日(月曜日)今日から平成29年度が始まる。そうは言っても、弁護士にはあまり関係ない。裁判所や検察庁は、大移動で(裁判官は3年で移動というサイクルがある。このため、この時期は、裁判の期日も予定されないことになる。通常事件だけでなく、破産などの事件では、書記官の役割が大きいが、書記官も同様に移動するためこの期間は、中休みとなりがちである。個人的には、労働委員会会長の関係で、新らしく事務局長や次長となられた福岡県職員の方から新任のあいさつを受けるくらいである。忘れていた(このブログを書く際んは忘れていたというのが正しい。)、朝、最初にやったのは、事務局職員との間での新年度の給与や有給休暇の日数の確認という作業である。毎年この日にやっている。午前中は、相談が1件。熊本の震災に関する金融債務についての特定調停の効力に関するもので、結構難しい。昼はRCへ。いつもと例会場が違ったのもうっかりしていて、事務所を出るのが遅れる。事務所に戻って、新局長の新任あいさつを受ける。労働委員会では、4月から6月初旬の全国会長・事務局長会議までの2ヶ月以内に、九州ブロックでの会長事務局長会議、九州ブロックでの公労使三者総会が組まれており、結構大変である。その後、刑事の国選(控訴事件)の記録が、原審の弁護人から送られてきたので読み始める(段ボール2箱。原審記録は5000頁と言われていたが、原審で公判前整理手続が行われていた関係で、検察官による開示記録(公判請求されない書証)が相当に多い(10冊以上あった。)。送られてきた記録の整理だけで終わる(今日は、ジムに行って、作業は明日から始めようと心に決める。)。

 4月4日(火曜日) 午前中にいくつかの作業をやって、昨日決めたように、午後からは、刑事の記録の整理を始める。原審が公判前整理手続を行い、否認事件であり、共犯者に調書が不同意になっていることもあって、尋問調書が膨大なものとなっている。先週高裁で記録を見た際に、書証の同意不同意及び尋問後の採否の点は確認していたが、取調べ済みの書証化どうかにより、甲号証をより分けるという作業が結構大変になる(甲号証の番号が飛ぶことになる。)。とても、にわかには信じられない事件だが、争いの無い部分(自白事件)では、被告人がA(行方不明者)とB(既に死亡している)に成りすまし、一方ではAについて弁護士に依頼して自己破産の申し立てを行い(きちんと破産手続きが開始し、免責も受けている)、次にBがAに対して取引先として債権を持っており、Aの自己破産(倒産)により連鎖倒産の危険があるとして倒産防止資金を騙取したというがある。Aに成りすました被告人から依頼を受けた弁護士は、自己破産申立の際に、その資料として、住民票を裁判所に提出しなければならないが、その住民票についても、被告人が市役所に対し、A名義の虚偽の住所異動届を提出し、住民基本台帳にその記載をさせ(私文書偽造、電磁的公正証書不実記載は成立する)、さらに、市の福祉事務所に生活保護を申請し、保護費を騙取した詐欺事件(ここまでは自白事件)が一連の犯罪となっている。なお、この住民登録の際には、Aの運転免許証が申請した者がAであることを証明するものとなるが、そのAの免許証には被告人の写真が貼られており、それを市役所の職員が信用したということになる(運転免許証の信用性は非常に高いと思うので、それを市の職員が信用するのは当然だと思う。なお当然だが、Aの免許証には貼り変えといった細工跡は全く存在しない。)。Aの自己破産の申立てを担当された弁護士事務所では、自己破産について、裁判所から追加資料の提出要求に際し、BのAに対する債権について、Aの弁護士として、Bとの間で資料の提出を求めるなどの事情聴取を行っているが(この他にも、Aの代理人としてBに迷惑をかけて申し訳ない旨の書面もある)、そのような文書を見ると、すごく複雑な気持ちとなる。とにかく、1日かけて、周囲から少しずつ読み始めたという段階にとどまる。

 4月5日(水曜日) 今日も昨日の続きの1日となる。とりあえず半分くらい読んだというような状態となった。実際に争点となる部分は、放火なのだが、起訴状が、公訴事実での犯罪行為態様にについて「何らかの方法で」としか記載しておらず、原審弁護人は、公訴棄却を主張していたが、判決も、検察官の記載と同様の記載で犯罪事実を認定している。刑事訴訟法の授業で、識別説で足りるのか、更に具体的な記載が必要かが論点とされていた。既判力の客観的範囲の確定(刑事訴訟法では二重の危険という観点から客観的範囲は拡大されているので、論じる意味はあまり無いのかもしれない)なので、民事訴訟法では識別説で足りると考えられているが、刑事訴訟法では、被告人の防御という観点から「何らかの方法」では問題だろう、という問題意識があるのは明らかである。従前から当該犯罪の具体的内容により、その詳細度は違うが(白山丸事件や薬物事件では特定は難しい)、殺人事件でも、「何らかの方法」としか書けない事件もある(死体の損傷程度から殺害方法が特定できない場合-死体の腐敗が非常に進んでいる場合など)。放火の場合は、そのような要素も無い訳ではないようにも思うが、この事件でどうだはもっと考えたい。。否認事件でそのような事件の場合は、直接証拠は存在しないので、間接証拠による判断ということになるが、それでよいのか(可能なのか。)、良くわからない。

 4月6日(木曜日) 連日、刑事件の記録読みだけをするのは疲れるので、今日は別の事件を。今日は、戸籍の関係で、初めて知ったことを書く(恥ずかしいことなのかもしれない)。ABの夫婦にCという子供がいる夫婦が離婚し、cは母Bの戸籍に氏を変更した。かなり時間が経って、AとBは再婚した。その際、CがBの戸籍に入っており、CとAの養子縁組も変なので(CはAの実実子である。)、結局、CのみがBの戸籍に残った。まもなくAが死亡し、しばらくしてBはAの戸籍を離れた。Bの新しい戸籍だが、元の自分の戸籍に入ることができない(離婚の際に、旧姓に戻る場合、実家の両親の戸籍がある場合、両親の戸籍に戻る場合が多いとは異なるようである。)。Bが当初のBの戸籍と同じ場所で戸籍を作った場合は、Bが戸籍の筆頭者でCのみが現在する戸籍と新しいBのみの一人戸籍が併存することになる。少し変に思うが、やむを得ないのかもしれない。
 午後に、労働問題の相談。勤務先の上司から暴行を受けた(全治2から3週間の診断書あり」、という事件の相談である。雇用主の従業員に対する全配慮義務違反という問題だが、まだ、そんな会社がたくさんありそうだということが問題だと思う。今日は当番弁護士だったが、連絡が無くてホッとする。

 4月7日(金曜日)破産管財事件で、不動産が売却できそうだと話があった。すごくうれしい。なんとかまとめたいと思う。順調にいけば配当まで1年で終わりそうである。今日は、何とか、控訴状を1通提出したことで終わる。あとは、刑事事件の記録を一応読み終わる。ただ、控訴理由書を書く前提として、原判決(30枚以上あって結構長い。)を読み直す。争いの無い事実(前提事実)とされている事実を読み直す作業から始めるが、いざ、その内容を自分なりに文章に落としこもうとすると結構難しい。つまり、まだ自分の理解が、「腑に落ちる」というところまで至っていないということだと思う。気分転換に、人証調べの期日が入っている離婚事件の記録を読み直す。それと明日予定されている団体交渉の準備をしておく。これで今週はお終いとなる。 




投稿者 あさひ共同法律事務所

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