弁護士ブログ(日々の出来事)

2017年3月31日 金曜日

今週の1週間(3月27日から31日)

 3月27日(月曜日)朝は歯科医へ。事務所にもどったら、知人が道路交通法違反(酒気帯び運転)で逮捕され、接見を希望しているという連絡が入る。私は、11時に横断の予定を入れていたので、藤本先生に午前中の接見を依頼する。まずは安心させることが必要。今後の手続きについて説明して貰う。私は午前中の打ち合わせに時間がかかり、その後昼はRCへ。事務所に戻っていくつかの作業をこなして、夕方、私も接見に行く。勾留されるかどうかがポイントの事件なので、勾留の裁判の前の勾留請求がされないようにするには、どうすれば良いか(単純な事件で現行犯逮捕だし、調書をきちんと作った方が良い)を中心とした打ち合わせとなる。その後、その接見の内容や差し入れについて、知人の会社の従業員に説明をして、今日は終わりとする。

 3月28日(火曜日)朝、事務所に来る前に警察署で接見をしておく。刑事事件が初めての人なので、何を誰に話し出すのか不安だったし、前日の夜に作るはずの調書が出来上がっているのかが気になっていた(午後には検察庁へ行くという話だったので、勾留請求されないようにその前に調書を完成させておく必要があった。)。その後は、事務所で午前中を色々な作業で過ごす。午後は、係属中の別事件の相談。裁判官の転勤もあるので、どのように説明を行うか、再度打ち合わせる。先週受任した国選事件(控訴審)の記録を原審の弁護人から受け取る。公判前整理手続の事件だったため、開示された記録が10冊。取調請求された書証が10冊ということで、段ボール2箱あった。中心は放火事件で、放火か失火かが争われるが、起訴状では、行為態様が「何らかの方法で」と記載されており、良くわからない。原審弁護人が、公訴事実が特定されていないと主張している。確かに、攻撃防御の対象が不明であって弁護活動に困るのは明らかである。他方、どこまで特定すべきについては議論があるところであり、原審の判決では、特定に欠けるところは無いとしている。起訴状に記載できる事実に限りがあるというのは、もし細かく書くことを求めた場合、それが認定できなければ無罪となるというとになれば、放火事件では、被告人が全てを否認した場合は、部分的にでも事実を認定できない場合があり、その場合、証明不十分ということになると考えるかは、結構難しい問題である(放火事件の場合、放火の方法について、仮説のレベルを超えて、全ての事実関係をきちんと認定できるかについて結構難しいと思う。)。夕方、昨日からの被疑者が釈放されるという連絡を受けて、接見に行く必要が無くなりうれしかった。

 3月29日(水曜日) 午前中は相談が2件。離婚事件が1件。午後は、昨日受け取った刑事記録を読む。5000頁を超えているので(裁判所に提出されている分がこれで、そのほかに不同意となり、撤回された書証が結構多い(2000頁くらいか)。また、任意開示されたもの(5000頁くらいか)の全てを読むのは当然無理である。直ぐには読めないし、読んでも放火事件で白黒コピーでは分からない。放火の具体的な事実関係が大きな問題なのか、それとも事実関係は概ね間違いないが評価に争いがあるのか(もちろん双方とも問題になる場合もある。失火と不作為による放火とは客観的には違いがなく、故意の有無が問題となるだけである。)。まだわからない。
 午後は、労働委員会の野田前会長による勉強会(講演会)に出席。フランスでは労働法制が大きく変わるということである。労働組合組織率の低いフランスでは、組合がⒹ軟体交渉において、労働者代表となりえない場合があるということである。その場合、従業員の中から選ばれた労働者代表が使用者と協議し、その内容については、その後の従業員の賛否を問う(レファレンダム)ということで決まるらしい。それでよいのかどうか、理解できるかどうか、もう少し考えたい。

 3月30日(木曜日) 今日は、結構余裕がある。この時期に法廷が入ることは少ない。裁判官が移動になるので、期日が入れられないというだけでなく、書記官が移動になるため、やはり裁判官も期日を入れるのを少し遠慮するということもあるようである。午前中は、刑事の記録を読み、午後は裁判所に記録を読みに行く。公判調書を読む必要があったのと、カラーの書証を見ておく必要があった。やはり、公判前整理期日の調書は、きちんと読む必要があることを実感する(裁判員裁判でない場合も、結構読みごたえがある。他方、裁判所は起訴状1本主義の関係から証拠を見ていないままで争点整理をするというのは、やはり難しいようにも思われる。)。証人調書なども読んでおく。

 3月31日(金曜日)とても寒い一日になった。今日は、日弁連民事裁判委員会の日だったが福岡に残ることとなった。年度末ということもあり、3月末で退職される県職員がわざわざあいさつに来られるというような事情(それに年度末で航空券が取れない)から、今日の委員会は欠席する。昨日の続きの刑事記録の整理を行う(同意部分と不同意部分を分ける等の作業に入る。)。結構面倒な作業で時間がかかる。宗谷手いるうちに今週も終わりにする。 


投稿者 あさひ共同法律事務所

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