弁護士ブログ(日々の出来事)

2014年2月15日 土曜日

退職後の従業員について

 最近ある相談を受けた。Aさんが、務めていたB社を退職して間もなく同業のⅭ社に再就職した。Aさんは中堅の技術者であり、肩書を偉いものではない。AさんはB社退社時に秘密保持に関する誓約書を提出している。

 最近、B社代理人D弁護士から内容証明郵便が送られてきた。AさんがⅭ社に就職したことを聞いて出されたもののようである。いわく、誓約書を提出しているのでそれを守るようにという内容であるが、そこに書かれている内容が秘密にしなければならにような内容かどうかはよく分からない。それはそれで大きな問題ではないのだが、さらに、AさんがB社を退職した理由(その真偽はもちろん不明だが、D弁護士は、Aさんの退職の理由が、会社に無断で勤務中に従業員を使って現場調査に同行させたこと、会社のPⅭを利用して見積書やシュミレーション作成をさせたこと、利己的な目的で下請けに仕事を回すなど。数多くの背信的行為を行ったため、周りとの人間関係の悪化により働くことが不可能となったことにあるとしている。)について、Aさんが自己防衛のためにこれと反する事実を吹聴することも差し控えるべきである、と記載されている。
 さらに続けてて、Aさんがそのような行為を取った場合は、行為の差し止め請求と損害賠償を請求すると記載されている。
 

 この内容だけでも、弁護士としてどうだろうかと思うのだが、さらに驚くべき事実がある。この内容証明文書が、Ⅽ社内Aさん宛に送られているということである。このような文書が当該個人の住所に送られる場合はある(個人向けの警告書なのであるから、それが通常であろう。)。
 

 しかし、D弁護士の文書は、Ⅽ社内のAさん宛に送られてきている。会社の従業員宛に弁護士名で内容証明文書が来た場合、会社は、ほとんどの場合、それは業務上に関連すると思うであろう。会社の総務が本人より先に開封するかどうかは不明であるが(今回見たのは中身のコピーだけなので、封筒に「親展」などの記載があったのかどうかは見ていない。)、それでも、会社は本人にどのような内容のものか尋ねるであろう、そうすると、前記のD弁護士が書いた退職事由についても話をせざるを得なくなる。そうなると、まだ勤め始めて間もなく、使用期間中のAさんがそのまま雇用されるかについては、?マークが点灯する可能性が生じる。

 D弁護士がどこまで考えてこのような内容証明を出したのかはもちろん不明である。私のところにはⅭ社社長から知人を通して、どう思うかと聞かれたのであって、まさにⅭ社の関係者がその内容を知ってしまったというものである。
 
 

 D弁護士が、Ⅽ社内で多数名がこの内容証明を読む可能性があるということを認識していたとすれば名誉毀損の問題が生じるであろうし、多数が見るという認識まではなかったとしても、他人が見る場合を想定すれば、信用毀損の問題は生じかねないし、懲戒の問題が生じる可能性もある。。

 D弁護士は、九州以外の弁護士数名の事務所に在籍する60期代の若手の弁護士である。地域によって感覚が違うのかもしれないが、かなり不安に思うところである。



投稿者 あさひ共同法律事務所

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