弁護士ブログ(日々の出来事)

2013年11月18日 月曜日

公害等調整委員会富越委員長

 11月11日(月曜日)は、以前からお話しのあった、公害等調整委員会から、富越委員長と佐藤審査官からのお話しを福岡県弁護士会でお聞きすることができた。
 富越委員長は司法修習24期のもと裁判官で東京高裁長官を退官された後、2012年から公害等調整委員会委員長の職にあられる。もともと民事の裁判官でいらっしゃる。そのため、裁判所での弁論主義(当事者主義)での運用と公害等調整委員会という行政ADRでの一部での職権探知主義による運用(基本的には民事訴訟法に準じた運用がされている)については、理論的かつ実務的に興味があるということである。

 公害等調整委員会の事件は、基本的に「公害」なのであるから、一定の人々に影響を及ぼすという公益が大きな要素となるということである。そうすると、事実の主張や証拠方法について、弁論主義を徹底することができないのが当然であって(しかも、証拠となる資料の作成には個人では負担できない場合が考えられる。)。

 民事裁判では、証拠の提出は当事者の権能と責任であるので、それに要した費用も当事者が負担する(裁判所の行う鑑定などの費用も、判決で当事者の負担割合が定められ、この点はドライである。)。しかし、行政が行う場合は、行政の負担で鑑定を行ったり、専門家に意見の聴取をしている。当然ながら、無駄な費用を発生させるわけにはいかないので、どの程度まで行うかは、公害等調整委員会の判断によることになるが、裁判とは相当に異なるように思われる。

 費用負担に関係させて、弁論主義と職権探知主義の関係を考えたことがなかったので、非常に考えさせられた。私のような者が言うのは問題だと思うが、冨越委員長には、非常に真摯にそして、分かりやすく、丁寧にお話しをしていただいた。改めて感謝を申し上げたい(良いお話をうかがえたのに、参加者が少なかったのが残念でした。)。



投稿者 あさひ共同法律事務所

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