弁護士ブログ(日々の出来事)

2013年8月 3日 土曜日

法務部の役割と弁護士の役割(金融法務事情1973号)

 少し古いことになるが、金融法務事情1973号(2013年7月10日号)に、「座談会 金融法務の未来」というテーマで、銀行、信託銀行の法務部の入行20年位の人々による座談会の記事(アドバイザーとして弁護士出身の田原睦夫前最高裁判事が出席)が掲載されていた。座談会は、金融法務事情創刊60年の記念企画ということで、ボリュームのある内容だったので全部を紹介することはできないが、そのなかで、興味を引いた箇所があったので紹介する。

 金融機関における新商品の開発は、金融関係の業法や監督官庁の規則などによる法律問題の塊りである。
当然、商品開発部門や各業務部門にはそれぞれの部門の関係の法律に詳しい担当者がいて、法務部の出番がないのではないはないかという問題意識である。結局、各商品開発部門がいわばタコつぼ的に掘り進んでいるところを、少し違う角度から助言を与えることができるという点がポイントになるという話があり、田原前最高裁判事は、この点について、弁護士の場合は、様々な視点から物事を見ているから、その上での危険判断ができる。細かな法規は知らなくとも、臭いがするとそこをもう少し細かく調べてチェックがいるんじゃないかと思う、これが統括部門としての法務の役割だと思う、と話しておられる。

 田原前最高裁判事もおっしゃるように、一般の弁護士は、特定の業法などの法規にはうとい。一般の市民や中小企業の人は、弁護士は法律のことは何でも知っているという幻想を持って相談に来られる。弁護士も自信のないことを聞かれるとどうしようと思い、戸惑うことがある。

 実は、うちの事務所の紹介(スマイル探索隊http://smaken.jp/ssp/)では、その点について、次のように書いている。少し長くなるが、ここでも載せてみたい。

 『「弁護士は、何をしてくれるのか」、という点ですが、司法書士や行政書士の行う特定の手続ではなく、「皆さんが抱えている問題がどういう問題なのか」、ということをはっきりさせ、「全体の見通しを付ける」、ということだと思います。そして、その上で、「ではどのようにすれば良いか」、ということを「皆さんと一緒に考える」ということだと考えています。
 もちろん、弁護士ですから、「そのことが裁判になるとしたらどうなるのか」、そして、「裁判が良い解決方法なのか」、については、正しくアドバイスできると思っています。
 現代社会は複雑ですから、何かをやろうとすれば色々な規制があります。専門家といっても、規制の全てを知っている人はいません。専門家でも初めて出会うことはたくさんあります。ただそのときに、応用が効くのかどうかが、専門家の良し悪しを決める基準だと思っています。弁護士には、経験とともに問題に当たったときの応用力があるかどうか、がとても大切な要素なのです。
 私たちの事務所は、大人数ではありませんが、皆さんのご相談に誠意をもってお答えするとともに、最善の解決方法を考え出し、それを皆さんと一緒に実行していきたいと考えています。」』
 

 というものである。おそらく、別の角度から(それは場合によっては相手の立場から)どう見えるかも考えて、さらに最終的なゴールをどこに持っていくのかも考えながら、解決に当たるというのが、必要なことであろう。
 そのことは、銀行のような専門家を多々抱える会社の法務部の場合も、同じであろうと思うところである(少し、事務所の宣伝もしてみました。)。

  
 
 

 


投稿者 あさひ共同法律事務所

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