弁護士ブログ(日々の出来事)

2013年7月10日 水曜日

挫折力とは?(そんな言葉があるのか)

 先日、参議院選挙に立候補されているある党の候補者(の選挙運動員)が、「自分には何度も挫折した経験がある。そのたびに挫折を乗り越えてきた、このような意味で「挫折力」がある」と言っていた。これを聞いてやはり「エツ」と思った。「挫折力」とは、挫折を乗り越える力であるという。皆さんも、変だなと感じられるであろう。私も「弁護士力」という言葉を使っているが、これは、弁護士としての力をつけるという意味である(「忍耐力」とは忍耐する力という意味であり、「鑑賞力」というもの音楽や絵を鑑賞する力を意味している。)、そうすると「挫折力」は、挫折する力となってしまうからである。

 これからは、「挫折力」についての弁護士としての「遊び」である(そのつもりで読んでほしい。)。「挫折力」の意味が、挫折する力という意味であるとするのはおかしい。挫折するのは、むしろ力がないからである。そうすると、「挫折力」の意味は、挫折する力という意味ではなく、力が関係すると考えられるのは、挫折しそうになった際に、挫折しないようにする場合のことをいうと理解しなければならない。つまり、挫折に対して抵抗する力(これには力が必要である。)という意味以外には理解が困難である。すなわち、挫折しそうな状態になった場合に、それを乗り越える力とい理解が挫折力には一番適していることになる(合理的な限定的解釈)。そうすると、挫折しそうなときにそれに耐える力ということは、挫折を乗り越える力というものとほとんど同じ意味であるから、「挫折力」という言葉は、通常の用語法とは異なるが、挫折の乗り越える力という意味に限定して考えるべきであり、それが合理的解釈であるとするものである。


投稿者 あさひ共同法律事務所

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