弁護士ブログ(日々の出来事)

2013年5月27日 月曜日

契約の立会い(高齢者の契約書作成)

 昨日のブログにも書いたが、先週の金曜日、ある銀行の契約に立ち会った。その銀行では、75歳以上の者との契約に際しては、弁護士が、その意思の確認のために契約に立会うシステムを取っている。むろん、そのような高齢者への貸付ではなく(通常はそのような高齢者が返済資金を自ら用意することはできないから。)、その高齢者の子供が借主となり、その高齢者の不動産を担保提供するというものである(担保提供の場合は連帯保証人にもなる場合が通常である。)
 高齢者が、資産を持っていることから、事業資金が必要な子供にとっては、その親の土地。建物を担保提供してもらうということが、考えられるからである。

 最初の問題は、高齢者の意思確認をどの程度行うのかという点である。この点は、公正証書遺言の場合の公証人の立会いと同じような問題なのかもしれない(ただし、遺言の場合よりもかなり複雑である。)。まず、本人確認(写真のついているもので確認する。免許証やパスポートの無い場合は、住民基本ネットなどの利用しかない。話をしてその答え方で、聴力や理解力を確認する。生年月日を言って貰うだけでは足りない。日常の生活ぶり(テレビの番組の話やニュースの話にどの位関心があるかなど)を聞き、社会性の程度を探る(連帯保証や担保提供は、相当高度な社会的な行動である。)。

 問題はここからである。通常は、借主(主債務者)も来ており、銀行の担当者が、金銭消費貸借契約書や抵当権設定契約書の内容を借主に説明する。興味深いのは、その際に、契約書の内容を全部読んで確認を求める担当者も居れば、金額、利息、返済期間、期限の利益の喪失条項、担保保持義務などの点を中心に説明をする担当者もいる。

 借主に対する説明であれば、それだけで足りるが、高齢者に対する説明をどの程度行うかは、なかなか興味深い。抵当権の説明や競売の説明をどの程度行うのかという点である。担当者の説明の後、私の方で確認のために改めて説明を行うが、結構難しい(抵当権の説明など、真面目に考えれば、法学部の授業と一緒になってしまう。)。期限の利益の喪失、一括弁済義務、任意売却の可能性を探る、任意競売、所有権の移転と明渡し義務、残債務の存続などの理解を確認することになる。
 その高齢者が昔事業をやっていて銀行から金を借りたことがあるというような人だったりすると、安心するが、そうでないと大変である(これまで合った高齢者で心配しなければならない事例には当たっておらず、ほっとしている。)。当然ながら、金証や抵当権設定契約書への署名、押印も自分で行ったことを確認しなければならない。

 ただ、近時の契約書の作成については、銀行などの金融機関も相当に慎重であり、契約書の重要な部分を声を出して読んで、借主の確認を求めたうえで、借入額、資金使途、利率、返済期間などは借主に書かせることが徹底している(当然である。)。しかも書き間違えのあった場合に訂正印による書直しhがさせていないので、全体にすごく時間がかかることになる(この日は高齢者が居て、私と言う弁護士もいたため、いつもより慎重で時間が掛かったたのかもしれない。)。いずれにせよ、契約段階でのトラブルは未然に防げていると考えている。

 なお、念のために言えば、私は当該高齢者から依頼を受けたということで、高齢者との間での契約となっている。当然だが、私はコン『銀行の顧問でもなく、代理人として事件も受任していない(利益相反を避けたいと思っている。)
 


投稿者 あさひ共同法律事務所

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