弁護士ブログ(日々の出来事)

2013年3月28日 木曜日

不動産競売事件の数はどのくらいなのか

 金融法務事情では前号の破産事件に続いて、東京地裁本庁と大阪地裁本庁の平成24年の不動産執行事件の概要が掲載されている(3月25日1966号)。

 不動産競売事件数は、東京地裁が平成15年4609件、20年3669件、24年2692件と減少している。大阪地裁でも平成15年4483件、20年3365件、24年2391件と減少している。双方の経済力の大小を考えると、東京の方が競売件数が少ない。不動産競売事件となる紛争数が東京と大阪で同数とは考えられないので、東京では競売事件にまで行かないうちに任意売却などの方法で解決しているということなのか、大阪の方が紛争解決手段として不動産競売が、使いやすい方法として認知されているということなのかは分からない。
 

 競売事件での売却率(落札率)は、東京が、平成17年以降90パーセントを超え、24年も97パーセントとなっている(21年は9割を下回った。)。大阪では、18年から90パーセントを超えている(20年、21年は9割を下回った。)。なお、東京、大阪とも、自用マンション(債務者兼所有者が自用の不動産(自宅など)として使用するもの)の競売事件(明け渡しが比較的容易な事件)について申立てから配当まで7か月程度で終了する運用を行っている(大阪ではファストトラックと称しているようである。)。

 その他の事件を含めても、東京、大阪とも申立てから配当間での期間は短くなっており、東京で10か月、大阪で8,5か月という状態のようである。これには、物件の案内が不動産競売物件案内サイト(BITシステム)によりスムーズにいくようになったことが大きいようである(引渡命令もその一助になっている。また取得代金へのローンの付与が容易になったことも大きな要因だろう。)
 

 引渡命令についても、東京地裁で、平成15年1732件、20年809件、24年815件と減少しているが、平成20年以降は一定数の申し立てが存在する。売却実績(平成15年2680件、20年1772件、24年1851件)との対比からすると、20年、24年ともに4割を超えており、引渡命令をもらえる事件が競売事件となっている可能性がある。大阪では引渡命令が平成15年732件、20年540件、24年683件であり、それぞれの売却件数(15年2426件、20年1941件、24年2032件)と比較すると、ほぼ3割程度にとどまる。これはどういう
意味なのか、大阪の競売申立事件の多さにどのように関連しているのか興味深い。



投稿者 あさひ共同法律事務所

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