弁護士ブログ(日々の出来事)

2012年11月21日 水曜日

懲戒処分の難しさ(最2小判平成24年4月27日)

 従業員が、「メイド喫茶のウエイトレスとの間でrトラブルになり、その後加害者集団から追跡や監視されるようになったなど((以下「被害事実といいます。」として、有給休暇を取り、さらに欠勤を続けている。さらにそれを理由として休職の申請が出された。会社は、被害事実があるかどうかを調査し、そのような事実は存在しないとして、休職の申請を認めず、従業員が結局40日の欠勤となったことから、就業規則に定める無断欠勤に該当するとして解雇となった。そこで従業員が解雇を争ったという事件がある。
 第1審は、従業員のいう被害事実は存在しないとして、欠勤に正当な理由がないとして解雇を有効としたが、控訴審は、従業員の欠勤は被害妄想などの精神的な不調によるものであるとして、就業規則中の「傷病その他のやむを得ない理由によって欠勤することは可能であり、適宜の方法で欠勤の旨を所属長に伝えているとして「無断欠勤」として扱うことは適当ではないとした。
 最高裁も控訴審の判断を是認し、当該授従業員の欠勤は何らかの精神的な不調が原因であるとするとともに、精神的不調のために欠勤を続ける労働者は、精神的な不調が解消されない限り出勤しないと考えられるとして、使用者に精神科医による健康診断などを実施するなどしたうえで、、休職などの処分を取り、その後の経過を観察したうえで対応を取るべきであるとした(判例時報平成24年10月21日号2159号142p)。
 このような理解しにくい理由で欠勤を続ける従業員は珍しくないようです。精神的不調なのか、あるい言動が理解しにくいだけなのか、それを調査するために精神科医に受診するように言うのも、決して簡単ではありません(そのことが名誉棄損だなどと抗議されることも考えられます)。結局、その家族の協力を得るなどして、説得を続け、経過観察を行って結論を出すということしかないようです(G)。

投稿者 あさひ共同法律事務所

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