判例紹介

2013年11月 4日 月曜日

非監護親による監護親に対する面会交渉の間接強制(最1小決25・3・28)(判タ1391号122p)

 決定そのものを見ることができなかったが、ようやく、判例雑誌でみることができた。平成18年1月に生まれた女子についての面接交渉が平成24年5月に審判が確定した事案であり、面接交渉が認められた父が、同年6月に面接交渉を求めたところ、母が、女子(6歳 小学校1年か)が会いたくないと言っているということを理由に面接交渉を拒絶したことに対して、母親に対する間接強制(面接不履行1回につき5万円)を求めた事案である。

  面接交渉の具体的内容が定まっている場合において、「子供が合いたがらない」というkとを理由として面接交渉が拒否された場合、ことがらの性質上、直接強制が認められないのは当然として(代替執行も問題にならないのは当然である。)、間接強制が認められないとする理由は乏しかったように思われる。

 ただ、問題は、面接交渉の内容の具体性がどの程度あればよいかという問題と、子供の心理を考えて、どの程度まで行けば、やはり当初の面接交渉権の行使が認められなくなるかという点である(後者の場合は、新たな面接校交渉権の内容の変更などの別個の審判の申し立てが必要となるかもしれない。)。
 前半の具体性については、①日程(月1回、毎月第2土曜日の10時から午後4時で父の自宅以外の父の指定する場所)、②面会交流の方法(受渡場所は、母の自宅以外で協議して定め、協議が整わない場合はJR札幌駅東口付近とする。)で引渡す。)、③やむを得ない事由により面会交渉ができない場合は代替日を設ける、などの点が定められていた事例である。

 離婚に際伴う面接交渉については、親権者が一方の親に定められるべきではなく、離婚後も共同親権ということを考えるべきであるという意見がある。この考えからすれば、非監護親による面接交渉もできるだけ認められるべきであるということになり、面接交渉の内容についても具体的に定めるべきでるという意見が強くなり、そうなると間接強制の申立てが増えると予測される。他方、子供は親の顔を見ているので、非監護親に会いたくないという子供も多いように思われる(その気持ちは本心からの場合が多い。)。

 やはり、面接交渉の内容を定める場合の問題なのであろう。




投稿者 あさひ共同法律事務所

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