2019年11月 2日 土曜日

今週の1週間(10月28日から11月1日)

  10月28日(月曜日)朝、少し早起きして8時過ぎには西警察署へ。明日が20日満期の被疑国選事件。事件自体は大きな事件ではなく示談ができれば罰金程度での処理が可能かと思われる事件だが、被疑者に累犯前科があるため起訴される可能性もある。当然、被害弁償という話になるが、金額とそのお金をどう作るかが問題となる。家族が用意するということでいったんは被疑者に了解をもらって事務所に戻る。少し月曜日の作業をして裁判所へ民事の弁論準備が1件。その後、ロータリーへ。開始前の打ち合わせをして、午後事務所に戻り、被害者と示談内容を詰めて概ね了解を取る。ところが、その後、家族から連絡があり、私の後に家族が面会に行ったら、どうも被疑者が納得していないらしいことが分かる(お金は借りることになるが、返済をするのは自分だということで、家族が勝手に動いたということがもう一つ納得できないらしい。)。その話を聞いてもう一度接見へ。少し話を聞いたところ、金額の点での不満や、この日の検事調べで公判請求されないかもしれないと思ったらしく、それなら示談を急ぐ必要はないと思ったらしい。被疑者が公判請求されないのでないかと感じたのは、私が検察庁へ示談成立の可能性が高いという連絡をしていたからで、その点の理解が足りていないことが分かる。その点を説得して、明日朝、家族に面会に来てもらい、自分で納得してもらうことにする。事務所に戻って家族に電話して、示談金を明日朝、事務所に辞さしてもらうことと、面会に行って本人を説得すうよう念を押す。
 こういうことで、家裁との協議会にも欠席となってしまった。

 10月29日(火曜日) 朝、家族から示談金を受け取り、次に検察庁に連絡して、昼ごろには示談ができそうだという電話を入れる。その後、家族が被疑者に面会し、示談について最終的な了解をもらったことを確認した時点で、被害者に連絡して事務所に来てもらって示談書を交わす。それから検察庁に連絡。ということでなんとか終わる(最終的には、処分保留での釈放となった。)。
 午後は、結構長い打ち合わせが1件。それから日弁連の当事者照会についてのアンケート案をバタバタ作る。そういうことで今日は終了とする。今週の後半が日弁連の会議が続くため、ジムに行くことにする。 

 10月30日(水曜日) 午前中は、結構長い打ち合わせで終わる。答弁書を書くためのものだが、訴え提起の前の3ヵ月程度前の時点で相談を受けていたため、相当に詳しい資料を得ていて、詳しく書こうと思えば、相当に詳しい答弁書は書けてしまう(そうすると、背景事情を含めて、答弁書提出の時点で、ほぼ解明してしまうように思える。)。そこまで最初の時点で書いてしまうかどうか、もう少しし検討したほうがよいか少し悩む。
  そうは言いながら、午後から答弁書の作成に注力。10枚くらい書けば終わるかなと思うが、証拠との関係を書くなどすると、結構全体的な構成をどうするのか、難しいところがあることが分かる。そうすると、答弁書は簡単なものにしようかなどと考えることになる。
 夕方、明日の日弁連の資料を読む。

 10月31日(木曜日) 8時の飛行機で東京へ。10月27日から空港での手荷物検査委終了時間が出発20分前になり、以前より1
0分間早くなったようで朝の時間が10分短くなった。それでいつもより早く家を出る(これから寒くなるので、結構きつい)。
 羽田から降りるときは今日は黄砂なんだなと感じる。11時からまずは民事裁判員会の第1部会(29日に送った証拠収取手続についてのアンケート案の検討)。 アンケートには、皆さんに答えてもらいやすいものにする。そうすると最初の1問は絶対簡単に答えられるものにすべきだと思う。最後まで答えてもらうために、できるだけ自由回答欄は避けたい。そうすると、どうしても選択肢が誘導的になってしまい、アンケートの意味をなくしてしまうとも思うが、その微妙なところがアンケートの設問を作る難しさだと思う。そういうことで、中々すすまないまま、部会は時間切れになり、次回へ持越し。午後からは4時間みっちりの委員会。IT化研究会の意見書に対する対応の準備、新しい民事裁判での提言の作成、さらに担保法制見直しのための準備など対応すべき問題点は山積している。
 夕方からは、委員会の懇親会。事務局のお二人にも参加してもらい、楽しい2時間となった。8時前に終わったが、明日午後ののIT化WG出席のために東京泊。本当は、今日10月31日は、せっかくだからハロウィーンの聖地の渋谷に行こうと朝の飛行機では考えていたのだが、すっかり忘れていた。

 11月1日(金曜日)そういうことで、午後のITWGまで少し時間があったので、久しぶりに竹橋の近代美術館へ。2時間がちょうど良い。今日が初日ということで、10時には切符売り場で少し並んだが、中はのんびり見ることができた。例の萬鉄五郎の作品2点、藤田嗣治のアッツ島玉砕など3点、ブラックとマチィスの数点が展示されていてうれしかった(特別展は、窓をテーマにした作品が多く、現代作品もあって楽しかった。昼は天気が良かったので、外でタイカレーにしてしまったので、午後の会議参加者の皆さんにはご迷惑をかけたかもしれない。ITWGのテーマでは、弁護士には紙の提出を認めずITでの1本化とするのかが大きな論点となっている。弁護士はITの専門家ではないので、IT普及率が7割といった現状や本人訴訟が多いことからすると紙の併用を認めるべきだという意見にも一理あるかもしれないが、個人的には、今後裁判所は、破産管財人名簿や成年後見人、不在者の財産管理人の候補者については、IT登録を求めるのではないかと思う。そうすると、IT普及率は相当に高まるのではないかと思う。問題は、訴え提起の段階では、被告(代理人ではない)がITでの受け取りを認めている場合を除き、訴状の紙での送達は避けられない(システム送達はできない)ので、原告が紙を用意する必要があるのかはっきりしない。裁判所が事件を受理しない限り、事件番号は付けられず、事件番号などが定まって始めて、ITに基づくシステム送達などが始まるようにも思える。個人的には訴え提起の段階で比較的多くの書証も提出しているので、結構この辺りは良く考えておく必要があると思う。ということで、17時お飛行機で福岡に戻る。ということで今週はおしまい。


投稿者 あさひ共同法律事務所