2014年10月24日 金曜日

今週の1週間(10月20日から24日)

 10月20日(月曜日) 今週は、裁判員裁判の週である。午前中は金曜日の民事事件のための準備書面(金曜日に相手方から書面が出されたため、その反論を行うもの)を作り始める(火曜日に提出する予定だった。)。午後は、労働委員会でのあっせん事件。5時すぎまでかけてなんとか成立する。予定より遅くなったので、そのままRCの観月会(夜間例会)で山の上ホテルへ。観月会の途中で外に出て福岡の夜景を楽しむ。
 家に帰ったが、家の中で倒れる(単に倒れたというもので後頭部がテーブルに激突)。そのため生まれて初めて救急車で病院に搬送され、CTを取ってもらい(血腫などの異常なし)、5針縫ってもらう。顔も打ったので、ミニお岩さんにもなる(これで少し間マスクが外せなくなる)。

 10月21日(火曜日) 朝、昨夜の病院搬送のため、改めて病院へ行く。治療はあっさり終わり(縫い方が粗いということでさらにステープルで5か所ほど止められる(結構痛い)、事務所へ行く(マスクが外せない)。頭の傷は、外気にさらしていた方良いとのことでガーゼも包帯も無しで過ごす(こちらのほうが目立たない)。
 午後は、昨日の準備書面の続きを始めるが、間に合わないので途中であきらめる(火曜日中には出したかったのであきらめる)。その後、明日の裁判員裁判のために拘置所へ接見に行く。夕方事務所に戻り、民事事件の相手方に送る手紙の原稿を作る。その後は、明日の裁判員裁判の準備。

10月22日(水曜日) 10時から裁判員裁判が始まる。裁判員裁判では、被告人の身上・経歴などに関する調書を除く事件そのものに関する調書は裁判の場には出されない。このため、裁判員には、起訴状だけの事実しかわからない。今回の事件は、覚せい剤の輸入の事件であり、ほかの3人の被告人の事件が終了していることから、その中心的な人物がこの事件での証人となって証言する。検察官と裁判官は同じなので、検察官と裁判官は同じ者の証言(証人としては2回目、被告人として1回の合計3度聞くことになる(裁判員は当然だが聞くのは初めてである。)。 ただ、毎回、話す内容が微妙に違うらしい。
 当方の被告人は運搬の責任者に次ぐ位置にいるようだが、その位置をどのようにとらえてもらうのかが争点となる。そこで、証人となった人物に対する反対尋問のウエイトが高いのだが、外国人であるので(当然通訳付き)、うまく話してもらうにはどうすればよいか難しい。証人の回答能力、通訳の日本語能力と中国語能力、裁判員の理解力のそれぞれがどの程度かによって、尋問のやり方、質問の前提となる事実の確認、質問自体を短くするなど答えやすい(通訳しやすい)ような質問方法を微妙に変える必要がある。
 特に、答えが毎回微妙に違うとなると、前提事実を抑えたうえで、その有無を確認するという方法によることになる(この方法だと尋問が長くなることにもなる。)。また理詰めの質問にならざるを得ない(その場合、通常はこのように考えるが、その通りかというような質問になる。)。
 一定の成果は挙げたように思ったが、実際はどうだったろうか。当方の被告人に対する被告人質問が終わって、4時30分に初日は終了する。
 
事務所に戻って、別の弁護士と共同で受任している事件の打ち合わせを行う。その後、事務所に連絡のあった分の処理を行う。メールで送られてくる日弁連の民際委員会の関連にも目を通す。

 10月23日(木曜日) 裁判員裁判の2日目。当方の被告人に対する反対尋問から始まる。一緒に審理されている共同被告人(覚せい剤の運び役)の弁護士は、運び役をやるようになったのは、台湾での闇金から借金が原因ということを強調する作戦で、被告人の可愛そうさと被告人の性格などを裁判員に理解してもらおうという戦術だったが、その点が、こちらの被告人の尋問では足りなかったのかもしれなかった。当方の被告人は記録には出ていない自身の薬物使用歴などを話すなど、質問には正直に答えていた。 その後、共同被告人への被告人質問。動機が中心の証言内容のため事実関係は証言されなかった。このため、当方の被告人との関係など事実関係について質問するが、答えが質問から離れていき、時間ばかりかかってあまり成果はなかった(失敗だった。)。
 翌日が、論告・弁論なので、主任弁護人の若いT先生に弁論要旨の書き直しをお願いする(当初から、冒頭陳述での人間関係図と当方で考えていた別の人間関係図を用意していたが、それに近い供述がでたので、予定通り新たな人間関係図を使うことにするとともに、弁論要旨の内容も変更する。)。
 T弁護士作成の弁論要旨が完成するまで、事務所で待つ(時間の関係-通訳に事前に渡す必要があることから、当初のものを廃棄し、新たに口述用のものを作ってもらう。事務所で、来週提出の境界確定訴訟の準備書面を書く。

 10月24日(金曜日) 10時から論告・弁論の予定だったが、裁判所から裁判員と裁判官からの補充尋問があり、その後に、論告・弁論。そして終了。判決は月曜日。その後、午前中に民事の弁論が1件。昨日の準備書面作成の続きを少しした後、労働委員会へ行く。命令書の合議だったので5時近くまでかかる。その後、事務所に戻って、準備書面の続きを完了させる。
 これで長かった今週も終わる。頭を縫ったため、スポーツジムに行けず、仕事をやる羽目になった。来週は日弁連に行く。




投稿者 あさひ共同法律事務所